北京
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60万人の感染に2万5575人の死亡者数、50の州と首都ワシントンD.C.及び4つの海外領地の全てで大規模災害宣言が発令され、米国の歴史においても未曾有の事態となっています。万全の態勢から慌てふためくようになり、歯止めがかからなくなった感染拡大の背後には、米国の誤った対応ぶりが挙げられます。
訓練は所詮訓練、問題は依然として未解決
2019年、米国では多くの政府部門が参加し、8ｶ月も続いた感染症対策の訓練が行われました。感染力の強いウイルスにより引き起こされた、高熱を主な症状とする呼吸器疾患が世界各地で急速に蔓延した想定で、米国の対応をシミュレーションしました。訓練により、米国の感染症対応に存在する多くの問題点が浮上し、当該訓練の報告書は同年10月にトランプ大統領に提出されました。しかし、新型コロナウイルス感染症が発生した後、報告書に挙げられたほぼすべての過ちが繰り返されたことになってしまいました。
遅れた初動
1月3日から、中国は米国に感染状況と予防・抑制対策を定期的に報告するようになりました。
米メディアの報道によりますと、上述訓練の主な企画者の一人で、米国保健福祉省（HHS）のアレックス・エイザー長官は、米国疾病予防管理センター（CDC）から新型コロナウイルスに関する病例を知った後に、1月18日と1月末の2回にわたってトランプ大統領に状況を報告し、警鐘を鳴らしましたが、話は中断されたか、「人騒がせのでたらめ」と叱られた結末でした。
1月21日にシアトルで初の新型コロナウイルスの感染病例が発見されたにもかかわらず、全米における予防抑制の対応は遅々として始動させませんでした。
緊急物資の準備期間を逃す
ホワイトハウスはHHSの警告を無視しただけではなく、緊急物資の準備期間まで取り逃してしまいました。
2月5日、アレックス・エイザー長官はホワイトハウスに40億ドルの医療物資の調達予算を提出しましたが、関連部門から反対されました。感染が急拡大した後、初めて25億ドルの予算が承認されました。
3月5日、上院で83億ドルの予算案が可決されましたが、アレックス・エイザー長官が当初提出した金額のほぼ2倍に膨れ上がりました。時期も当初の発議から１か月余りも経過しました。
専門機関が見逃した検査の時期
感染症に対して重責を担うHHSとCDCはいずれもウイルス検査の重要な時期を逃しました。
1月29日、ホワイトハウスは特別作業チームを立ち上げましたが、当時の注目点は海外在住の米国人の引き上げなどの問題で、ウイルス検査は最重要課題ではありせんでした。
また、CDCは１月末ごろに検査キットの開発を終えていますが、重大な欠陥が存在していました。2月末までに、全米での検査人数は4000人未満でした。実質、こうした状況は連邦政府が全米の感染者数の把握としかるべき措置の導入にも直接影響を与えました。
後手に回った予防・抑制措置
各州での感染者が増えるにつれ、米国の医療資源がひっ迫した状況に陥りました。衛生当局の関係者は、次第に問題の重大性に気付き始めました。CDC国立予防接種・呼吸器疾患センターのナンシー・メッソニエ所長は、2月末に繰り返して社会的距離の重要性を強調し、CDCのロバート・レッドフィールド所長は予防・抑制の知識を普及させると同時に、人々に外出を控えるよう呼びかけました。
各州の自主的措置から国を挙げての対応へ
政府の動きが鈍かったことから、米各州は各自で緊急事態を宣言し、自分たちを守るために対応策を打ち出しました。
2月29日、米国ワシントン州で全米初の新型コロナウイルスの感染による死者が発表され、非常事態が宣言されました。その後、多くの州で緊急事態が宣言され、ウイルス検査及び海外医療物資の調達なども増えるようになりました。そして、多く米国人がマスクを着用するようになり、社会的距離を保つようになりました。
3月11日、世界保健機関（WHO）は新型コロナウイルス感染症はパンデミックに該当すると宣言しました。
3月13日、トランプ大統領は国家非常事態を宣言し、新型コロナウイルスの予防・抑制態勢が全面的に始動しました。その時は、米国政府が第一報の警告を受けた時から数えて、既に70日間も過ぎ去ってしまいました。（RYU、Yan）
