経済学者が米経済の衰退を予測 欧州はさらなる金融策を実施

　JPモルガン・チェース銀行の会長および最高経営責任者を務めるジェームズ・ダイモン氏は現地時間6日、株主への書簡の中で「最良の状況を迎えたとしても、米国経済は深刻な衰退と、2008年の金融危機に似た金融面の圧力に直面することだろう」と指摘しました。

　また、ニュース専門放送局CNBC（コンシューマー・ニュース・アンド・ビジネス・チャンネル）は、連邦準備制度理事会（FRB）のジャネット・ルイーズ・イエレン元議長が「米国の第2四半期の国内総生産は少なくとも30％減少する」との判断をしたと報じました。また、米労働省が3月の失業率が4.4％となったと発表したことについて、イエレン元議長は「状況はさらに深刻で、（失業率は）すでに12％か13％に達したはずだ。今後もさらに悪化していくだろう」と示しています。

　一方、ドイツのメルケル首相は現地時間6日、自身の自宅隔離を終えてから初めての記者会見で、「新型コロナウイルス感染拡大は、欧州連合（EU）史上最大の試練　だ」と指摘した上で、「欧州委員会は加盟国への貸付の実施を歓迎する。ドイツはこのプロジェクトに70億ユーロの担保金を提供する意向がある」と述べました。

　また、イタリアのコンテ首相は現地時間6日夜、「国内の経済扶助措置として、さらに4000億ユーロを追加拠出する」と発表しました。すでに拠出した3500億ユーロを合わせると、イタリア政府は国内総生産（GDP）の半分に当たる7500億ユーロを市場に投入することになります。（藍、謙）