北京
PM2.577
23/19
世界知的所有権機関(WIPO)の事務局長選挙が来週、スイスのジュネーブで開催される。中国やその他の多くの国が候補を推薦し、それぞれの候補がWIPO事務局長の座を目指して競っている。しかし、選挙活動が始まる前になって一部の米国人がまたも、自作自演の「茶番」を演じはじめた。
例えば、ポンペオ米国務長官のチームは「知的所有権を盗んでいる」と中国を中傷し、「中国に、知的財産権についての国境を越えた政策の制定に関係する機関を指導させるとは、荒唐無稽(むけい)だ」と表明した。米国国家通商会議のトップであるナバロ行政官はフィナンシャル・タイムズに寄稿した文章で「中国にWIPOを牛耳らせるべきでない」と主張した。ホワイトハウスを追い出されたボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)までもが、これを機に存在感を示そうとして、感染症の予防・抑制活動とWIPO事務局長の選挙を絡めて、中国を侮辱・攻撃した。米国はまた、一部の国に圧力をかけ、中国人候補者の支持をやめるよう強要している。「中国人でなければだれでもよい」とまで言い出す始末だ。
米国はなぜこのように、中国人がWIPO事務局長に当選することを全力で阻止しようとするのか。いったい、何を恐れているのか。
ここ数年、新興市場国と発展途上国が全体的に台頭してきた。それらの国々は、現在の不公正かつ不合理な世界政治と世界経済の秩序を変革せねばならないとの要求を、日増しに強めている。中国は国連安保理常任理事国であり、世界最大の発展途上国だ。中国は現行の国際的なガバナンス体系を支持すると同時に、ルールについて必要な改革を行うことと、より多くの発展途上国が国際的なガバナンスに参加することを支持している。ここ何年かは、中国人が国連の上級職はもとより、国際通貨基金(IMF)や世界銀行の上級職も務めるようになり、国際社会から高く評価されるようになった。
しかし、現行の国際規則の主たる制定者である米国に、発言権を譲り渡す気はない。したがって、中国が国連機関の重要な職位の選挙に参加することを、さまざまな手段を用いて妨害するようになった。米国のある種の人物にとっては、切羽詰まった上での挙動なのだ。
いかなる選挙も、公平かつ公平でなければならない。国連機関の責任者の選挙ともなれば、なおさらだ。選挙にあたっては、それぞれの主権国家が自らの判断と利益にもとづいて独自の立場で投票を決め、米国による不道徳な圧力には屈しないと信じる。
陽光のもとで当選した人ならば、出身国には関係なく、各国に共通する普遍的な認識を反映して、国際社会に共通する利益のために、よりよく奉仕できるはずだ。(CRI論説員)