北京
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新疆ウィグル自治区には、ユネスコ世界文化遺産に登録されたキジル千仏洞を始め、ニヤ遺跡、ダンダンウイリク遺跡など多くの文化遺産があります。1980年代初めから今日に至るまで、三十数年余り、これら文化遺産の発掘や保護に献身的にかかわってきた日本人がいます。
名古屋在住の元宝石商で、現在は僧侶の小島康誉さん(77歳)です。小島さんは1972年、中日国交正常化が実現される直前に中国を初訪問しました。その10年後の1982年に、宝石の買い付けで初めて新疆を訪れました。気に入った宝石こそ入手できなかったが、現地の輝かしい古代文明と人々のやさしさ、熱意に惹かれて、「人類共通の遺産」を守ろうと生涯をかける決意をしました。
1987年に小島さんは得度し僧籍に入り、88年に佛教大学を卒業。これまで150回以上新疆を訪れ、合計3500万元(5億円を超える)の義捐金を新疆の文化財保護に寄付し、キジル千仏洞修復保存協力、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡を日中共同で学術調査するなど文化財保護研究・人材育成・相互理解促進の三分野で多くの国際協力を実践してきました。
2014年、キジル千仏洞が第38回ユネスコ世界遺産委員会の会議で、中国・カザフスタン・キルギス3ヵ国が共同申請した「シルクロードの始点-天山回廊の道路網」が世界文化遺産への登録が正式に認められました。その背後には、小島さんを始めとした関係者が「人類共通の文化遺産 キジル千仏洞を後世へ」と題した長年の取り組みと切り離すことができません。
小島さんはこれまで30年余りの両国関係を振り返り、「日中友好をベースとして、双方が相互理解に努め、共に進歩すべきだし、困難だからこそ相互理解の努力が重要だと思う。私はそのように考えて、地道に相互理解の活動を実践してきた。何故ならば、国際協力は平和を維持し、戦争を抑止する重要活動だと信じているからだ」と心のうちを打ち明けてくれました。
なお、小島さんには『日中共同ニヤ遺跡学術調査報告書』、『日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査報告書』、『シルクロード・ニヤ遺跡の謎』、『念仏の道ヨチヨチと』、『新疆世界文化遺産図鑑』、『Kizil, Niya and Dandanoilik』、『中国新疆36年国際協力実録』など多数の編著があります。(取材:周莉、訳・構成:閣、Yan、CK)