北京
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現地時間の3日午前、タイの首都バンコクで開かれた第22回中国・東南アジア諸国連合(ASEAN+1)首脳会議に李克強総理が出席しました。
会議は輪番議長国であるタイのプラユット首相と李総理が共同主宰したもので、フィリピンのドゥテルテ大統領、ブルネイのボルキア首相、インドネシアのジョコ大統領、ベトナムのフック首相、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家最高顧問、シンガポールのリー・シェンロン首相、ラオスのトンルン首相、カンボジアのフン・セン首相が出席しました。
李総理は「世界経済への下振れ圧力が増え、各国は新たな試練にさらされている。この背景のもとで、中国とASEAN各国は多国間主義と自由貿易を共同で維持すべきだ」と主張し、「民衆が利益を享受でき、各国が共同繁栄するというモデルを堅持し、経済貿易協力のレベルアップを速めていく」として、域内各国が連携してリスクに対応し、共同発展を求める必要性を強調しました。また、「東アジア経済一体化の基盤作りに向けて、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の早期妥結とともに、貿易投資の自由化や利便化を促すため、中国・ASEAN自由貿易区グレードアップ議定書を確実に履行しなくてはならない」と指摘しました。さらに、「戦略的相互信頼を強化して、域内の平和と安定を維持していく必要がある」と述べ、各国による審査作業が進んでいる『南海行動準則』は『南海各側行動宣言』のグレードアップ版であることを改めて確認しました。
このほか、李総理は「中国は、平和発展の道を揺るぎ無く貫き、互恵共栄といった開放戦略を実施していく。『一帯一路』の構築を、ASEAN全体の発展戦略および各国の発展戦略と一体化させていくことに期待している。すでに運用が始まっている経済回廊における輸送通路の整備を加速させ、インフラ整備の相互連結に向けた協力強化を通じて、ASEAN東部成長地域の建設をサポートしていきたい」と、中国政府の立場を示しました。
会議では、「中国・ASEANの平和と繁栄のための戦略パートナー関係を目指すコミュニケを履行する行動計画(2021~2025)」が制定されたほか、「一帯一路」やスマート都市、メディアの交流・協力を盛り込んだ声明や、2020年を「中国・ASEANデジタル経済協力年」とすることが発表されました。(朱 謙)