映画作りは僕の生き様~ドキュメンタリー中村高寛監督に聞く(下)

2019-08-07 10:27  CRI

00:00:00
00:00:00

特別ゲスト:王衆一(映画研究家、『人民中国』編集長)

聞き手:王小燕

图片默认标题_fororder_CqgNOl1JWdiAfT4fAAAAAAAAAAA326.300x292 图片默认标题_fororder_CqgNOl1JWdiAAh8kAAAAAAAAAAA209.279x292
(左)中村高寛監督(右)王衆一さん

 7月23日の放送回に引き続き、ドキュメンタリー映画監督の中村高寛さんにお話を伺います。映画研究家で日本語月刊誌『人民中国』編集長の王衆一さんに特別ゲストに迎えています。
 今回は、中村監督の映画作りに寄せる思いを伺うとともに、ドキュメンタリー映画監督の知られざる生き様にも迫ります。
 「映画とは何か」
 「僕は映画を通して何を表現しようとしているのか」
 これは、中村さんが監督を志した時から、ずっと抱えてきた悩みです。北京留学から十年以上が経ちましたが、「今もこの問いかけに対する答えを模索し続けている」と言います。「僕は映画を通して何を伝えたいのか。それは、『僕は人生を通して何を残したいのか』と置き換えることもできる」と話していました。
 「ドキュメンタリー映画はお金にならない」
 それは、国籍に関係なく監督仲間との雑談の中でいつも共感する話だそうです。それでもこの道を選んだ中村監督ではありますが、一方で「ドキュメンタリー映画も公開後は商業映画になります。僕としては、配給に関わるすべての皆さんを儲けさせたいですし、僕にも少し儲けが入ってほしい」と、素直な気持ちも隠しません。
 これまでの2作品をいずれも個人の資金で完成させてきた中村監督。「撮影段階でお金がなくなった場合なら、大学講師やコマーシャル作品の撮影などの仕事でお金を稼いでから再開すれば良いのですが、編集段階まで進んでいた場合は、スタッフたちを待たせる訳にはいきませんでした」と、経験を語ります。実際、そのような状況して中村監督が向かった先は、故郷・横浜の中華街でした。そこで資金調達のために行ったのは、日雇いの塗装作業でした。
 「一度ペンキを塗れば、50年先まで塗り直しの必要がない」とされる中華街入り口の門の塗装を、朝9時から夕方5時まで行った経験は、「満足のいく、喜びを味わえる作業だった」と振り返ります。そして、実のところ映画作り以外の仕事にこだわりは無いのだと、笑顔をほころばせました。

图片默认标题_fororder_CqgNOl1JWfOAF5o1AAAAAAAAAAA099.500x707
中村高寛監督作品「禅と骨」のポスター

 そんな中村監督が、個人の力と手作業で完成させる自身の映画の対極として捉えているのは、現代化映画産業で世界を席巻しているハリウッドの映画産業です。「絶対に勝てないだろうと思われていますが、僕は勝つ気でいます。映画におけるリアリティ、人間の感情をどこまですくい出せるかで勝負していきたい」と、強大なライバルに決して物怖じしない、自信に満ちた表情でした。そして、「僕は、人間の痛みさえ分かれば、誤った歴史は繰り返されないと思っています。常に痛みを感じる、血が出る記録を撮りたい。そういう気持ちで映画作りをしていきたい」と続けました。

【プロフィール】

图片默认标题_fororder_中村导演7.JPG

中村高寛(なかむら・たかゆき)さん

1975年、神奈川県生まれ。1997年に松竹大船撮影所よりキャリアをスタート。李纓監督の『味』(2003年)、『靖国(YASUKUNI)』(2008年)で助監督。2006年に映画『ヨコハマメリー』で監督デビュー、横浜文化賞芸術文化奨励賞、文化庁記録映画部門優秀賞、ヨコハマ映画祭新人監督賞・審査員特別賞、藤本賞新人賞など11の賞を受賞。また、NHKハイビジョン特集など、テレビドキュメンタリーも多数手がけている。その他、『キネマ旬報』でエッセイ「黄金町ブルース」を連載(2010‒2016年)。2017年、映画第2作となる『禅と骨』が公開。

图片默认标题_fororder_封面200

主な著書:
『ヨコハマメリー:かつて白化粧の老娼婦がいた』河出書房新社 (2017/8/28)

この番組をお聞きになってのご意見やご感想をぜひお聞かせください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040 中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】もしくは【〒152-8691 東京都目黒郵便局私書箱78号 中国国際放送局東京支局】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

ラジオ番組
10月29日放送分
00:00:00/00:00:00
  • ハイウェイ北京<月曜日>の担当者 劉叡琳_fororder_周一刘睿琳130
  • ハイウェイ北京<火曜日>の担当者 王小燕&斉鵬_fororder_周二小燕齐鹏130
  • ハイウェイ北京<水曜日>の担当者 謝東&劉非_fororder_周三谢东刘非130
  • ハイウェイ北京<金曜日>の担当者 劉叡&孟群_fororder_周四刘睿孟群130
  • ハイウェイ北京<金曜日>の担当者 任春生_fororder_周五任春生130
  • ハイウェイ北京<週末篇>_fororder_北京直通车周末篇
特集ダイジェスト
最新コラム
新華社_fororder_12日中友好協会_fororder_11人民網日本語版_fororder_10人民中国_fororder_9中国網日本語版_fororder_8東方網日本語版_fororder_7JAPAN online_fororder_5
UTYテレビ山梨_fororder_4中華網日本語版_fororder_3東方通信社_fororder_2中国百科検定_fororder_132959111934859451北京観光_fororder_1
王小燕