北京
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中国の北部に位置する内蒙古自治区は、ここ数年、「一帯一路」構築や、モンゴルとロシアに通じる経済回廊の整備などを生かして、インフラの相互連結や経済協力、文化交流などが進んでいます。また、環境に配慮した開発にも力を入れており、庫布斉(クブチ)砂漠の整備事業は、国連環境計画より砂漠の「エコ経済モデル区」に指定されています。
内蒙古自治区は、中国共産党の指導で設立された初の省クラスの少数民族自治区です。ロシア、モンゴルと国境を接し、国境線は4200キロ以上に及んでいます。こうした地理を生かして、ここ数年、「一帯一路」や三ヵ国の経済回廊の整備に積極的に取り組み、開放型の経済発展が急速に進んでいます。これについて、自治区人民政府の布小林主席は「現在、自治区にある18カ所の対外窓口における貨物取扱量のうち、ロシアとの取引分が全体の65%、モンゴルとは95%を占めている」と示しました。
去年、自治区の経済規模は1兆7000億元、1人当たりの生産高が6万8000元でした。これについて、中国共産党内蒙古自治区委員会の李紀恒書記は「汚染を伴うGDPは不要で、単純に東部の地域と産業や構造、スピードなどを比べたりしない。今日の自治区はエコを優先し、環境型の成長を目指し、質の高い発展を歩んでいる」と述べています。さらに、オルドスを例に挙げて、「生態環境が非常に弱い時期があって、砂漠の拡大で住民が転居した。しかし、工業化や都市化が進むにつれて、多くの農牧業従事者が都市部に移り、第二次産業、第三次産業に就いている。このため土地や草の牧場が有休となり生態環境が守られた。中でも、クブチ砂漠は国連環境計画から砂漠の『生態経済モデル区』に選ばれた」と述べました。
そして現在、自治区はまだ15万3000人の貧困者を抱えています。これからの貧困対策について、自治区人民政府の馬学軍常務副主席は「義務教育、基本医療、住宅の確保に力を入れ、貧困者のやる気を引き出す取り組みも進めたい」と強調しました。(朱 森)