北京
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中華人民共和国第12代駐日本特命全権大使に就任する孔鉉佑(こう げんゆう)氏(59歳)は28日午後、赴任を前に、中国メディアを対象に記者懇談会を開きました。席上、孔大使は、「中国と日本は国交正常化時の政治的約束を守って歩み寄ってさえいけば、必ずや新時代にふさわしい両国関係を築き上げることができる」と語りました。
孔大使は席上、「中国政府は1972年の国交正常化以降、終始、中日関係の改善と発展を極めて重視し、中日間の4つの政治文書に基づき、日本と善隣友好関係の発展に尽力してきた。これまでの47年間、両国関係には風雨があったものの、全般的には長足の進歩と発展を成し遂げている。このプロセスで得た経験と教訓は、これからの関係構築にたいへん重要な啓発となるだろう」と振り返りました。
28日、北京での記者懇談会に臨む孔大使
さらに、2018年の中日間の貿易総額が3276億ドル、人的往来が延べ1200万人、友好都市が254組に達したことを例に、「中日の各分野における交流と協力は、すでに持ちつ持たれつの関係になっている。しかも、こうしたつながりが世界第二と第三の経済大国同士で展開されているものとして考えれば、その影響力は二国間のそれを遥かに超えるものであり、地域と世界の平和と安定においても両国が重責を担っていることを意味するものだ」と、世界のガバナンスにおける両国関係の重要性を指摘しました。
2019年は新中国成立70周年の年にあたり、日本では新しい年号に改元された年でもあります。こうしたことを背景に、孔大使は、「新たな時代を前に、長期的かつ安定した両国関係を実現していくには、平和と友好という大きな方向性を堅持する必要がある。中日間の4つの政治文書で確立された原則をしっかりと守り、政治的相互信頼に不断にポジティブなエネルギーを注ぎこみ、両国間の政治信頼を引き上げていく必要があると思っている。これと同時に、両国関係のバラスト的存在でもある経済分野で互恵協力関係を引き続き拡大し、その間口を広げていく努力が必要だ」と強調しました。
今後の両国関係について、孔大使は、各レベルでの様々な形の交流を着実に推進し、引き続き国民感情の改善に向けて努力していき、両国関係にある矛盾や齟齬(そご)を建設的にハンドリングしていく必要があると指摘しました。その上で、「双方とも初心を忘れずに、国交正常化時にそれぞれ表明した政治的取り決めをしっかりと守り、歩み寄ってさえいけば、両国は必ずや新たな時代にふさわしい中日関係を築き上げることができる。これには自信がある」と、楽観姿勢を示しました。
このほか、「一帯一路」の共同建設における第三国市場での協力、まもなく日本で開かれるG20サミット、中日が多国間主義や自由貿易体制の維持において果たすべき役割、中日青少年交流推進年、朝鮮半島の情勢などをめぐり、記者からの質問にも答えました。
孔大使はこれまで外交部副部長として多国間外交、朝鮮半島問題特別代表などを担当してきました。東京に向けての出発はこの30日を予定しているということです。
(取材:王小燕、王巍 )