北京
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開州区の新たな市街地(撮影者:佘楊潔)
ダム湖で、水位の変動により水面下になったりむき出しになったりする湖岸の部分は「水位変動帯」と呼ばれます。この水位変動帯の環境を守ることは、河川の水質や周辺住民の生活に関わる重要な問題です。重慶市東北部の開州区はこの点について、中国さらには世界の先頭に立っています。
夕暮れの漢豊湖(撮影者:謝暁裕)
長江にある三峡ダムの水位変動帯は、高さ30メートル、面積は約349平方キロで、このうち重慶市開州区を流れる長江の支流の部分は約43平方キロです。この周辺は人口が多く工業施設が密集しており、地形も複雑なため、水位変動帯の環境保護は大変困難な作業でした。地元政府によりますと、養殖業や果物の栽培、林業、鳥類生息地の整備などを並行して行った結果、湿地や様々な生物が守られてきました。また、ダムの下流に水位調節用のダムを別途建設したことにより、開州区を流れる川の水位変動幅は30メートルから4.72メートルへと大幅に減少しました。この結果、開州区には「漢豊湖」という湖が形成され、それを囲む湿地も作られたということです。(鵬、森)