北京
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13日、新華社通信のインタビューを受ける和仁廉夫氏。(撮影:新華社記者 呉暁初)
旧日本軍の「軍票」を見せる和仁廉夫氏(右)。(撮影:新華社記者 呉暁初)
日本のフリージャーナリストで歴史学者の和仁廉夫氏が、第二次世界大戦中に旧日本軍が香港で発行した「軍票」や、香港市民による賠償請求関連の書類を、香港中文大学に寄贈しました。
第二次世界大戦中、旧日本軍は、占領地で現地通貨の引き換えとして「軍票」を発行し、住民の財産を略奪しました。これらの「軍票」は戦争が終わると無効になり、現金化できなくなって、大勢の香港人の全財産が泡と消えました。
このため、香港に住む17人が、被害を受けた3000人以上の香港市民を代表して、日本政府に損害賠償を求める訴訟を起こしました。今回寄贈された書類や資料は、これら「軍票」や訴訟関連の書類や証拠でした。
63歳の和仁廉夫氏は、1990年代から、ボランティアの弁護士や学者らとともに、「軍票」賠償促進会を設立し、日本政府への訴訟に加わりました。1993年に始まったこの訴訟は8年後の2001年、日本の最高裁に棄却され、「香港は戦争の被害を受けたが賠償が認めない」と言い渡されました。
その後、和仁さんは訴訟関連の資料を整理し、分厚い「軍票」や十数本のビデオテープ、そして訴状や報道関連など、7箱にわたる資料を集めました。日本の法律によりますと、訴訟が完了して5年以上経過すれば裁判所は資料の保存義務がなくなります。そこで和仁さんは、これらの資料は被害を受けた香港人にとって貴重な歴史的証拠であることから、寄贈すると決めました。香港中文大学には日本研究学部があり、これらの資料が若い人を中心により多くの香港人に知ってもらえるとみなしたのです。
これについて、香港中文大学図書館の李麗芳館長補佐は、「これから数ヵ月かけて資料を整理し、校内の研究者に閲覧してもらう。またインターネットを通じてより多くの人に見てもらいたい。一般市民向けのセミナーや展示会の実施も検討する」と明らかにしました。(Lin、森)