北京
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トランプ米大統領はホワイトハウスで現地時間22日、ワシントンで開催中の第7ラウンド中米経済貿易ハイレベル協議で交渉にあたる習近平国家主席の特使である中国共産党中央政治局委員、国務院副総理兼中米全面的経済対話中国側代表の劉鶴氏と会見した。トランプ大統領は、今回のハイレベル協議は大きな進展をとげているものの、まだ多くの作業が残されていると指摘。双方は、今回の協議日程を2日間延長することを決めた。
中米両国は経済貿易問題ハイレベル協議を繰り返してきたが、日程が延長されるのは今回が初めてだ。このことは、中米経済貿易協議が積極的な進展を見せた一方で、協議が最も鍵となる、そして最も難しい「ラストスパート」の段階に入ったことを意味している。同時に、双方の代表団が両国指導者の重要な合意を実現するために、「突貫工事」式の作業を始めたことも反映している。
中米が貿易協議を進めた1年間には紆余曲折があった。しかし、両国指導者の重要な合意に導かれ、先週の第6ラウンドのハイレベル協議では主要な問題についての原則合意が達成され、双方は経済貿易問題についての覚書についても議論した。協議はすでに文書作成の段階に入ったことになる。現在進行中の第7ラウンドのハイレベル会議では、両国の代表団は2日間の交渉で実りある成果を得た。貿易の均衡、農業、技術移転、知的財産権保護、金融サービスの分野で、目に見える進展があった。
ただ、最終文書の細かい部分をつめていくのは極めて難しい作業だ。双方の代表団は、それぞれの国益を維持するために、いずれの議題についても細かく吟味し、一字一句もないがしろにせず具体的な記述を決めていくことになる。その過程においては駆け引きの応酬も避けられないところだ。したがって、今回の協議の延長期間中、双方の代表団はさらに突っ込んだ意思疎通を行い、より綿密で完成度のより高い合意の達成を目指す。合意は、実施することにより将来にもより有利になるもので、疑う余地のない積極的なシグナルを発するものでなければならない。
米議会予算局は最近になり、米国が徴収する関税が現在の水準のまま据え置かれれば、米国のGDP成長は今後10年間、毎年平均で0.1ポイント失われるとの見方を示した。中国も公式に、中米経済貿易など外部要素による影響が、中国経済への下押し圧力を増大させていると認めている。同時に、多くの国際機関が最近になり、今年の世界経済の成長予測を下方修正した。ノーベル経済学賞の受賞者であるクルーグマン博士は、世界経済は2019年末から2020年初頭にかけて衰退期に入る可能性が高いとまで警告した。だからこそ、昨年12月に中米が経済貿易協議を集中的に行うようになって以来、全世界の株式市場で全面的に、株価が上昇したのだ。米中協議の本格化と株価が「正の相関関係」を示したことは、中米が経済貿易摩擦を解決することに、資本市場が強く期待していることを意味している。
習近平主席はトランプ大統領に向けたメッセージで、双方が相互尊重と協力、ウィンウィンの姿勢にもとづいて引き続き努力し、双方が向き合い、互恵とウィンウィンをもたらす合意を達成することを希望すると表明した。トランプ大統領も、双方が最終的に有意義で両国に有利な協定を締結できると信じており、近い将来に習主席と再会したい、と述べた。両国指導者の積極的な表明はまぎれもなく、「突貫工事期」にある経済貿易代表団により多くの動力を与える。そして、協議の最終結果がどのようなものになるにせよ、中国は既定のペースで改革を絶え間なく深め、開放を拡大し、経済の質の高い発展を実現させる。(CRI論説員 盛玉紅)