北京
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毎週土曜日にお送りしている「チャイナビジョン2019」。この番組では、新時代を迎えた中国に様々な角度からスポットを当て、最新の中国事情をお届けします。
今日は、中国で最も有名な博物館である故宮博物院の最近の動きについてご紹介します。
お相手は私、任春生です。
今年の2月19日は、中国の伝統的な祝日の一つである元宵節にあたる日です。この元宵節の夜、故宮博物院では、「紫禁城上元の夜」というイベントが開催され、広く注目を浴びることになりました。元々非常に有名な故宮博物院ですが、この「紫禁城上元の夜」のイベントでは、博物院設立から94年を迎える故宮で初めての「提灯祭り」が催されたこと、紫禁城の古代建築が初めて広範囲でライトアップされたこと、そして紫禁城が初めて夜間の一般公開を実現したことの三つの「史上初」を実現、人々を驚かせることになりました。
19日の午後6時30分、紫禁城に明かりが灯されると、故宮博物院太和門の建築全体に、「2019年、紫禁城で迎える新年」、「上元の夜」、「元宵節」などの文字が次々に投映されました。入場客は、1キロほど続く故宮の東側城壁の上を歩き、提灯の数々を鑑賞しました。
太和門ライトアップショープロジェクトの責任者である張賢鵬さんは、ライトショーについて、このように語ります。
「今回のライトアップショーは3千平方メートルを超える規模のものとなりました。我々は、最先端のレーザープロジェクション装置を20台使用しています。故宮博物院は中国文化の集大成であり静かな場所でもありますから、今回のイベントでは、ビジュアル的には観光客のみなさんに大きなインパクトを与えますが、バックグランドミュージックは静かなものを使い、静かで落ち着いた故宮博物院の環境をそのままお届けしました」。
故宮博物院の任万平副院長も、このイベントについてこう語ります。
「昔の皇室で行われた春節のイベントは旧正月の初日から15日までの15日間に集中しています。ですので、われわれは、できるだけこの期間の中で、見せられるものを全部観光客の皆さんにおみせしたいと思っています。より多くの人々に皇室の伝統的な行事を体験してもらうほかにも、私たちの伝統が次の世代に受け継がれていくことを期待しています」
近年、故宮博物院は、インターネットやテレビ番組などのメディアでのプロモーションの甲斐あり、より多くの人にその存在が知られるようになっています。ソーシャルメディアに投稿された故宮博物院の雪景色や夜景、故宮猫などの写真は、いずれもホットな話題となり、人気を集めています。「紫禁城上元の夜」は、19日と20日の両日の夜に行われましたが、イベントの告知情報がインターネットで発表されると即、その入場券は全部ソールドアウトになりました。そのため、夜の故宮博物院を見てみたいにも関わらず、入場券が入手できないという人が溢れ、故宮博物院の夜間一般公開を期待する声が多く寄せられる様になっています。
こうした状況について、故宮博物院側は、今回の「紫禁城上元の夜」イベントの反響を参考に、夜間一般公開の可能性を検討するとしています。今後は、中国の伝統的な祝日である端午の節句、中秋節、重陽節などの重要な日の夜に、夜間一般公開の可能性を検討したいとのことです。
この夜間公開の可能性について、故宮博物院の単霽翔院長は、この様に語ります。
「今回のイベントについてまずその効果を評価したいと考えています。観光客の反応はどうなったか、入場券のインターネット予約制がよかったかどうかなどについてです。今回のイベントは19日と20日のふた晩しか開催できませんでしたが、その理由には、祝日というものが一定の期間のイベントであること、そして故宮博物院のセキュリティーを優先したことがあります。今後は、今回のイベントについてしっかりと考察し、その意味について、そして改善策について検討し、さらに、古代建築物を傷つけないことを前提に、ほかの建築物もライトアップが可能か、観光客のニーズは何かなどを考えていきます。季節の節目にある伝統的な祝日を利用して、夜間公開が可能なのであれば、我々はどんどんトライしていきたいと考えています」
チャイナビジョン2019、今週は、故宮博物院の最近の動きについてお伝えしました。
お相手は、任春生でした。