北京
PM2.577
23/19
新年好!明けましておめでとうございます。日本人スタッフの森です。例年になく寒い北京で2019年を迎えましたが、こちら中国は日本ほど盛大に年越しを祝わず、祝日も元旦の1日のみです。年に何回かある土日がらみの3連休の中で行楽客が最も少なく、列車の切符もわりと入手が容易です。そんな中、2018年最終日である12月31日に天津まで日帰り旅行しました。
滑り出しはこれ、高速鉄道の「復興号」です。中国は今や高速鉄道が網の目のように張り巡らされていますが、一番早く開通したのがこの北京-天津間です。事故の発生を受けてしばらく減速運転していましたが、去年の夏から以前の350㎞運転を再開し、現在の所要時間は30分です。
この列車に乗って、天津を通り過ぎ、終点の「塘沽」という所まで行きました。ここは天津の外港にあたり、物流の一大拠点であるほか、急速に再開発が進められ、今は上の写真の通りに超高層ビルが林立しています。下に見えるのは天津の母なる川「海河」の河口部で、寒さのため凍結しています。
この川の近くに、上の写真のような経済開発を象徴するような新しい建物がありました。「自由貿易試験区」、いわゆるフリートレードゾーンの拠点です。また下の写真はEV(電気自動車)用の充電器です。ここは天津の市街地からだいぶ離れていますが、このような真新しい施設も見られました。
一通り塘沽を散策した後、電車に乗って天津市中心部へ戻りました。
この電車は、天津駅から外港まで達する「軽軌」と呼ばれるもので、地下鉄に先がけて通勤用に開通した路線です。天津を訪れる都度利用していますが、ほぼ全線が高架区間で、車窓を眺めると発展していく街の様子が手に取るように分かります。
天津市街地で電車を降り、その後は主に地下鉄で市内を回りました。
都市部の路線網が発達したおかげで、かなり郊外まで足を延ばせました。上は日系の大手ショッピングモール、下は大規模なコンベンションセンターです。いずれも最近開通した地下鉄の駅からほど近い所にあります。
そしてこちらは、やはり地下鉄の終点駅から見えた風景です。
新築マンションがずらりと並び、そのそばには整備された緑地が広がります。通勤圏が拡大して、環境のいい郊外に住むことも可能になりました。
氷点下の中を歩き回っているうちに、日はすっかり暮れてしまいました。
最後に訪れたのがこちら。天津駅から地下鉄で3つ目、市内有数の繁華街です。近くには日系の有名デパートもあります。1年の暮れとあって大勢の人が繰り出しており、道路もかなり渋滞しています。
この後、帰路に向かうべく天津駅に戻りましたが、最後にサプライズが待っていました。
駅前広場から最高の夜景が見えました。この辺りも10年以上前に大規模な再開発が行われ、景観は一変しました。画面下に見えるのは、2枚目の写真にもある海河です。天津はかつて租界地だったこともあり、この写真の奥側には「小洋楼」と呼ばれる異人館が並び、観光スポットになっています。
寒い中での観光となりましたが、充実感のある日帰り旅行になりました。交通網なども発達しているだけでなく、運営体制も整備されているように感じました。ただし、地下鉄や鉄道の駅入場の際のボディーチェックは北京よりかなり厳しいようで、ある程度の覚悟が必要です。(森 雅継)