【CRI時評】中国経済を診断するための3つの角度

　中国では先週、中央経済活動会議が開かれた。同会議は今年の経済活動を総括し、現在の経済情勢を綿密に分析し、さらに来年の中国における経済活動を全面的に配置し、方向性を示し、基調を決定した。伝えられる会議関連の情報から、中国の経済の方向性を診断するには、以下の3つの角度から検討し判断せねばならない。

　第一の角度とは、成果を得るのは容易ではなく、5つの規律に対する認識を深めねばならないことだ。

　今回の中央経済活動会議はマクロコントロール、三大戦役（重大なリスクに対する防備と無力化、ピンポイント貧困脱出、汚染の防除）、サプライサイドの構造性改革、人民の生活などを例として、今年の中国は経済の持続的かつ健全な発展と社会の大局の安定を維持し、小康社会（いくらかゆとりのある社会）の全面建設に向けて新たな歩みを進めたとの認識を示した。このような成果を得ることは容易ではなかった。

　会議は、中国は1年間の実践を通じ、新情勢の下での経済活動をしっかりと行うための認識を深めたと指摘した。すなわち、中国共産党中央の集中かつ統一された指導を堅持せねばならず、長期的な情勢に基づき現状を認識せねばならず、マクロコントロールの度合いを正確に把握せねばならず、社会の関心に速やかに対応せねばならず、各方面の積極性を十分に引き出さねばならないということだ。この5つの規律のうち、とくに重要なのは最初の二つだ。

　第二の角度とは、中国の発展は重要な戦略的なタイミングにあり長期的にも戦略的チャンスに恵まれることだ。

　2018年には中米貿易摩擦のエスカレートなどの要因の影響があり、外部から中国経済の発展の戦略的チャンス期はすでに終わったのかとの疑問が出された。それに対して中央経済活動会議は、現在の経済運営について「安定の中に変化あり、変化の中に憂慮あり」と認める一方で、「中国の発展は重要な戦略的なタイミングにあり長期的にも戦略的チャンスに恵まれる」と強調した。このように判断した根拠は、平和と発展が依然として今の時代のテーマであり、経済のグローバル化が逆流に遭遇することはあっても逆転することはあり得ないということだ。グローバルな産業チェーンはすでに「汝の中に我あり、我の中に汝あり」との複雑な構造を形成しており、そこから抜け出すことは不可能だ。同時に、現在進行中の科学技術革命と産業の変革が生み出した新たな技術、新たな業態、新たなモデルはグローバル市場で検証されることを必要としている。中国には巨大市場という潜在力があり、さらに決意をもって開放措置を拡大している。これは、その他の経済体が匹敵できない長所と言える。それ以外にも貧困の解消、気候変動への対応、平和維持など国際社会が普遍的に関心を持つ国際協力の分野では、中国の参加と貢献は不可欠だ。

　第三の角度とは、2019年の経済キーワードが8文字の方針、３大戦役、7つの重点項目であることだ。

　来年は中華人民共和国建国70周年であり、中国共産党が確定した小康社会の全面建設における鍵となる年でもあり、経済発展は極めて重要だ。中央経済活動会議は、中国の経済運営の主要な矛盾は依然としてサプライサイドの構造にあるとして、対処のために「鞏固、增強、提升、暢通（確固・増強・向上・円滑）」の8文字の方針を貫徹すると指摘した。具体的には市場化や法治化の手段をさらに多く適用し、過剰生産の解消を推進し、社会の各種の運営コストを低減し、インフラ施設などの不足を補うことを強化し、ミクロ的経済主体の活力を増強し、産業チェーンのレベルを向上し、統一的かつ開放的で、競争力と秩序ある現代化市場システムの建設を加速することだ。

　現状において、中国の発展を取り巻く環境が非常に複雑で、不確定要素が極めて多いことは否定できない。しかし、中国経済はそもそも、様々な困難を乗り越えながら成長してきたもので、しかも毎回、リスクをチャンスに変え、危機対応能力と発展のレベルは絶え間なく向上してきたのだ。中国のこのたびの中央経済活動会議から伝わってくるシグナルと来年の経済の歩みは、中国経済の強靭さと潜在力をさらに一歩、具現化することになる。（CRI論説員　盛玉紅）