【CRI時評】質の高い発展の実現へ

　改革開放40周年記念大会で、中国の習近平国家主席は改革開放により蓄積した9つの貴重な経験を総括した。そのうちのひとつが「中国は開放の拡大路線を堅持し、人類運命共同体の構築を絶え間なく推し進める」だ。この経験は、将来の中国経済が質の高い発展を実現する上で極めて重要な指導的意義を持つ。

　1978年12月、中国共産党は全党、全国の任務の重点を経済建設にシフトさせ、「国の門」は改革開放によって外へと開かれた。新鮮な空気が国内に入り、改革開放は中国の発展を促す強大なエネルギーとなった。この40年間、中国は経済特区の整備から沿海、沿辺（国境沿い）、沿江（長江沿い）、沿線（道路や鉄道沿い）と内陸部の中心都市の対外開放に至るまで、そして世界貿易機関（WTO）加盟から「一帯一路」の共同建設に至るまで、全面的開放という新たな構えを世に示した。「開放は進歩をもたらし、閉鎖は必然的に落後する」は疑いようのない事実だ。

　当然のことながら、一国の経済発展レベルを測るのに経済成長という一指標のみに頼ることはできない。多方面から総合的に考え、判断する必要がある。人々が購入する家電製品を例に挙げると、1980年代はカラーテレビ、冷蔵庫、洗濯機が家にあることが庶民にとっては「鼻が高いこと」だった。しかし、現在は食器洗浄機、浄水器、ロボット掃除機など消費の質が反映された商品が次々と買い求められている。ひとつの側面から見ると、これらは中国社会の主たる矛盾に変化が生じたことを裏付ける。つまり、中国人の消費の質、素晴らしい生活を手に入れようという気持ちが絶えず上昇、強まっているということであり、これはまた、中国経済が高速成長から質の高い発展へと転換を進めていることを意味する。では、質の高い発展をいかにして実現するのか？答えは「より開放された条件の下で進める」だ。

　この数カ月の間に中国の平均関税率は7．5％に下がり、金融、自動車、航空機、船舶などの分野では外資に向けてさらに踏み込んだ開放が行われた。第1回中国国際輸入博覧会の成約額は578億ドルに達し、世界銀行が発表したリポートの「ビジネス環境ランキング」で中国は1年で30位以上ランクを上げた。中国の世界に向けた市場開放は決意だけでなく、それ以上に並外れた強さの行動力で支えられているのだ。

　もちろん、中国が「絶え間ない開放」の道を歩む上で、美しい花々に出会うこともあれば、茨（いばら）にぶつかることもあるだろう。中国について言うと、世界の新たなハイテク革命、産業変革が速度を上げて進行し、それによって大量の新技術、新業態、新モデルが生まれることは中国経済のモデルチェンジとレベルアップ、推進力の新旧交代実現に重要なエネルギーを与える。これは中国を出迎えてくれる美しい花だ。一方、保護主義と一国主義の台頭、世界の貿易摩擦激化という面では中国の発展により多くの試練、不確実性がもたらされる。「開放それとも閉鎖か、前進それとも後退か？」という時代からの問いかけに、中国の指導者、人々は明確で断固とした態度、答えを示す。それは「絶対に後戻りしない。開放の門が閉まることはなく、むしろこの先ますます大きく開けられる」だ。

　「一帯一路」は間違いなく、中国が対内的にも対外的にも質の高い発展を実現するための重要なプラットフォームだ。この5年間で中国と「一帯一路」関連国との貨物貿易は累計5兆ドルを超えた。対外直接投資は600億ドルを突破し、現地に二十数万人分もの就業機会を提供した。ここから分かるのは、中国が共同建設によってプラットフォームとする「一帯一路」はウィン・ウィンをもたらすということだ。この先、「一帯一路」をプラットフォームとし、開放によって質の高い発展を推し進めることは、改革開放の再出発で目指すべき方向、そして中国が世界に向けた新たな貢献を実現する上での要でもある。（CRI論説員　盛玉紅）