北京
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世界貿易機関(WTO)は19日、米国を対象に行った第14回貿易政策審議を終えました。
17日から19日にかけて開かれたこの会議では、中国、欧州連合(EU)、日本、インドをはじめとするメンバー国が、米国がこの一年間で実施してきた鉄鋼とアルミニウムの追加関税といった単独行動主義・保護主義の政策のほか、WTOの紛争解決機関である上級委員会の欠員について新委員の選出を阻止していた動きなどを批判しました。これに対して、米国は自国の政策について弁解しながら、中国を自国のスケープゴートに仕立てようとする発言をしました。
米国の貿易政策に関する審議では、40以上のメンバー国が書面の形で約1700項目の質問を提出しました。
中国の張向晨WTO常駐大使は、米国の人気コミック『スパイダーマン』の「大いなる力には大いなる責任が伴う」という台詞を引用して、「世界最大の経済体である米国はこの1年間、担うべき責任を果たさなかったばかりか、自国の利益だけを守ろうと、やりたい放題に他国の利益を損なってきた」と強い態度を示しました。

また、EUのファンヒューケレン大使は「多角的貿易体制が危機に陥っており、危機の中心に米国がいる。米国の価値観が揺らぐ中で、その貿易政策は世界の貿易体制の信用にマイナスの影響を与えている」と指摘しました。
日本からの代表は、米国の通商拡大法232条に基づく措置に対して、「非常に遺憾に思っている」と示し、「この措置は国際市場をかく乱し、多角的貿易体制にマイナスの影響を与えている」とした上で、貿易制限措置の拡大に懸念を示しました。さらに、「貿易制限措置に関する報復は、いかなる国にとっても得にならない」と強調しました。
そのほか、インド代表が「米国による貿易制限措置の乱用を遺憾に思う」と述べ、カナダやスイス、モロッコなど50を超えるメンバー国も「米国の一国主義的な貿易措置と、WTO上級委員の意図的な選出の阻止に注意を向けている」との発言をしました。
各メンバー国からの大量の質疑に対して、米国のデニス・シア大使は「米国が多角的貿易体制の危機の中心にいるという見方は不適切だ。この危機は、中国と国際貿易体制とが相容れないために起こったものだ」と弁解しました。
これについて、中国商務部世界貿易談判司の胡盈之副専員は「現在審議されているのは米国の貿易政策だ。中国ではない。中国は、一国主義と保護貿易主義の口実や、スケープゴートとして使われることに反対する」と強調しました。その上で「中米の二国間貿易関係の安定化と健全化は、両国および世界経済にとって重要な意義を持つものだ。中国は、両国の最高指導者間で達成した合意にしたがって、相互に尊重し合いながら同じ目標に向かって前進すべきだ」として、世界の経済と貿易の環境安定化に貢献していくことを強調しました。(朱、謙)