【CRI時評】中国・スペインが手を取り合って再出発

　中国とスペインの国交樹立45周年に際し、中国の習近平国家主席はスペインのフェリペ6世国王の招待を受け、今週27日～29日の日程でスペインを公式訪問した。両国は新時代の包括的な戦略パートナーシップの強化に関して共同声明を発表し、一連の協定に調印した。これらの大きな成果は、両国関係により大きな発展の余地をもたらす。

　習近平主席にとって今回のスペイン訪問は、中国国家主席再選後初の欧州諸国への訪問となった。中国とスペインは、13年前に構築した包括的な戦略パートナーシップのさらなるステップアップに向け、新時代の包括的な戦略パートナーシップの強化に関して共同声明を発表。首脳級の相互訪問、政治的対話の強化を進め、共に規則に基づいた多国間主義の維持、グローバルな案件に尽力し、二国間の経済と貿易関係を深化・拡大させ、科学技術革新において密接に協力し、教育・文化・スポーツ・観光などの多くの分野における協力水準を底上げすることで、中国とスペインの関係を安定して発展させることで一致した。

2018年11月13日、上海。中国国際輸入博覧会閉幕後、常設の貿易プラットホーム―緑地グローバル商品貿易港がオープンした。写真はスペインの展示スペース。

　中国とスペインの貿易額は1979年に初めて1億ドルに達し、2017年には300億ドルの大台に達した。中国にとってスペインは欧州連合（EU）において6番目に大きな貿易パートナーで、スペインにとって中国はEUを除いた最大の貿易パートナーである。両国の科学技術革新、文化交流などの分野における往来は絶えず続いており、スペインのハム、ワイン、フラメンコ、サッカーなどはすでに中国の庶民の生活にとけ込んでいる。米・フォーブスによると、2017年の春節期間の中国人の海外旅行先で、スペインは欧州諸国において最も人気が高い国となり、観光客は90％に迫る増加を見せた。

　スペインのサンチェス首相は、この変化に富んだ時代において、スペインはますますアジアに注目しており、とりわけ日増しに世界に進出している中国を重視していると語っている。両国は経済・貿易における協力を促進し、両国の企業間の連結強化、戦略的なマッチングを実現させ相互の優れた点を補い、第三市場の開拓において積極的な協力を支持し、より広範な互恵関係を実現することで一致した。

2015年2月22日、浙江省義烏。スペイン・マドリードから出発した初の「義新欧」ラインの列車便が到達した。

　両国の交流の歴史は古く、2000年余り前、シルクロードで中国の古都・長安とスペインのタラゴナは繋がっていた。現在、「一帯一路」の建設により、このつながりはより深くより広くなっている。「世界の雑貨の街」と呼ばれる中国の義烏と欧州最大の雑貨集散地であるスペイン・マドリードを結ぶ「義新欧（義烏―新疆ウイグル自治区―マドリード）」ラインは今年11月で運行開始から丸4年が経った。両国および沿線国に豊富な商品を提供し、双方が共同建設した「一帯一路」の成功例となった。

　今年8月末現在、中国と欧州を行き来した便数は1万便に達し、「一帯一路」建設のランドマーク的な成果を収め、「一帯一路」の「鋼鉄のキャラバン」と呼ばれている。

　スペイン訪問期間中、習近平主席はマドリードから「金のカギ」を受け取った。この「金のカギ」で、新たな出発点に立った中国とスペインは、共に繁栄できるより多くの扉を開くことができるのであろう。（CRI論説員）