北京
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第21回中国―ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会合が14日、シンガポールで開催された。中国の李克強総理とASEANの指導者は共に論じ合い、「中国・ASEAN戦略的パートナー関係ビジョン2030」の文書を採択した。中国はASEANにとって初めての、双方の関係を中長期に渡り発展させ将来展望の計画を持つ対話のパートナー国になった。
今回のシンガポール会合が「中国・ASEAN戦略的パートナー関係ビジョン2030」を採択したことで、双方の戦略的パートナー関係はこれまで以上に先の2030年にまで伸ばされた。このことは、中国とASEANの関係が、かつての「黄金の10年」と現在の「ダイヤモンドの10年」の協力期間の後に向け、改めて手を携えて「前倒しダッシュ」のスタートを切ったことをはっきりと示している。この手を携えての「ダッシュ」を行った「前倒し計画」の原動力はどこから来るものなのだろうか。
「前倒しダッシュ」の源泉とは、双方が相手と自らの将来に抱く共通の期待と信念だ。
中国とASEANは2002年に「包括的な経済協力に関する枠組み合意」に署名し、2010年に中国―ASEAN自由貿易区を築く目標に着手して以来、2017年に至っては中国とASEANの貿易額は5148億2000万ドルと、15年前の6.6倍に達した。中国は連続して9年間、ASEANにとって最大の貿易相手になり、ASEANは連続して7年間、中国の三大貿易相手のひとつになった。
先週末に終了したばかりの第1回中国国際輸入博覧会で、ASEANからの出展企業は異常な活躍ぶりを見せた。シンガポールからはASEANの中でも第1位の80社以上が出展した。フィリピンは1億2400万ドルの中国向け輸出の受注を獲得した。自国の最高級農産品である冷凍ドリアが中国市場で広く歓迎されていることを見て、マレーシアのシム・ツェ・ツィン農業・農業関連産業副大臣は、非冷凍のドリアンを中国市場にできるだけ早く輸出するように動く考えを示した。
「前倒しダッシュ」の源泉とは、双方が一貫して自由貿易と多国間主義を維持する揺らぎない行動をしていることだ。
中国の広西チワン族自治区南寧市では毎年、中国―ASEAN博覧会が開催されおり、多くの東南アジア商品が中国市場に順調に入っていく助けになっている。ASEAN各国の経済発展のレベルの違いがあることに対して、特にラオス、ミャンマー、カンボジアなどの実情に対して、中国はASEANとの協力という大枠のもとで、関係国とともに「メコン協力」などの地域協力メカニズムを始動させ、ASEAN内部の発展格差を縮小することに協力している。
「前倒しダッシュ」の源泉とは、双方が各分野で協力を深く進め土台を作る気力があることだ。
中国―ASEANが戦略的パートナー関係を結んで15年来、その間には国際情勢と地域の情勢に複雑な変化が発生したが、双方は政治対話、経済貿易協力、文化交流、安全関連などを一貫して前進させた。特に南海の問題で、双方はいずれも外部の力が南海に干渉することに反対し、積極的に作業を進めることで「南海行動規範(COC)」というひとつの文書を形づくり、交渉をできるだけ早く完成させたいと希望している。最近も、シンガポール、ブルネイ、タイ、ベトナム、フィリピンの軍艦とASEAN各国からの将兵1000人近くが中国の広東省湛江海域で、中国海軍と共に海上合同演習を実施した。これはASEAN初の、単一の国と実施した合同演習だった。
中国とASEANが手を携えて2030年に向けた「前倒しダッシュ」をしたことは、ASEANが中国の長期的発展と開放の持続を確信していることを示すものであり、中国を責任を果たす大国と認めていることを示す。2030年には、ASEANは世界第4の経済体になる期待が持てる。中国―ASEANの友好関係を維持し、発展させることは、中国とASEANの経済・社会の発展を持続させる動力を注入するだけでなく、中国とASEANに、国際社会全体と地域の実務においてさらに大きな作用を発揮させることでもある。(CRI論説員 張弘)