【CRI時評】注目される世界銀行のリスト、中国がビジネス環境分野でさらに力を発揮

　世界銀行が発表した最新の「ビジネス環境の現状2019：改革を支える研修」によると、190の経済体が参加した今回の調査で、過去2年間連続で第78位だった中国は、32もの経済体を追い抜き、全世界で第46位になった。中国は、この1年で順位を最も大幅に上げた経済体になった。

　世界銀行は中国に対する考察を行ったサンプルデータを上海と北京での調査から得た。用いたデータは2017年6月2日から2018年5月1日の間に得たものだ。データの種類は、民営中小企業、または会社が、その設立から破産に至るまでの企業としての生命周期において、企業の生存と発展に関わる最も重要な関連事項から選ばれている。すなわち、企業の設立申請、工場の建設許可、電力供給手続き、不動産登記、融資の獲得、中小投資者の保護、納税、越境貿易、契約の執行、破産処理、労働法規の11項目だ。

　「ビジネス環境の現状」の編集責任者である世界銀行グローバル指標局シニアマネージャーのリタ・ラマルホ氏は、「過去16年と比較して、中国は過去1年間における中小企業のビジネス環境改善の実施において、改革の件数の多さで記録を創出した。計7件の重要な改革を行った」と表明した。

　例えば、企業の設立申請だ。ネットによる企業の法人登記と社会保障の登記を導入することで、企業設立申請に要した日数は平均わずか9日間になった。北京市の場合はさらに、全世界で2カ所しかない、法人登記と社会保障登記の手続きが無料の都市となった。電力供給の分野では、中国は完全無料の手続きサービスを行っている。143日間が必要だった電力供給までの日数は34日間に短縮された。契約の執行とビジネス上の争議の分野で、中国では決着までに要する平均日数が496日間で、必要な出費は賠償として得る金額の16％だった。高収入経済体による組織である経済協力開発機構（OECD）での平均が582日間と21％を上回り、中国は第6位となり、全世界で最も良好な数字を示した経済体の一つになった。

　世界銀行によるこの「ビジネス環境の現状」のリポートで、アフリカのモーリシャスの順位は第20位、ルワンダは第29位となり、いずれも中国や日本より上位だった。このことは、世界銀行の指標が客観的であり、公平であることを示している。リポートは経済体の大小を問わず、それぞれの経済体の具体的な改革措置と実績をさらに重視している。

　2017年の第19回中国共産党全国代表大会（党大会）で提出された現代的経済システムの建設と経済の高品質の発展という目標の全体像から考えるなら、中国のビジネス環境には現在も少なからず、乗り越えなければ成らない難題がある。そして、中国の指導者はそのことを十分かつ冷静に認識している。

　今年になってから、中国の習近平国家主席はさまざまな会議で、中国におけるビジネス環境の改善とレベル向上に大いに力を入れると何度も表明した。昨日（5日）に開幕した第1回中国国際輸入博覧会において、習近平主席は、「国際的に一流なビジネス環境を築くことは中国の開放拡大にとっての重要な目標であり任務として、国際的なビジネス環境を尊重し、中国で登記するすべての企業を平等に扱うと強調した。習主席はさらに、外資企業が持つ合法的権益の侵害、特に知的財産権を侵害する行為については法に基づき罰すると、特に強調し、懲罰的な賠償制度を導入すると述べた。

　最近における中国上層部と政府の多くの部門が、中国の民営経済の発展を支持する政策と措置を次々に打ち出していることに伴い、特に、今年末から来年初頭において中国の機構改革が全面的に実現することにより、これまで以上に開放的で、刷新され、包容力の大きなビジネス環境が、中国の対外開放のレベルがさらに一段階向上する助けになる。（CRI論説員：関娟娟）