北京
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安徽省の鳳陽県小崗村。正午が近づき、鳳陽花鼓の軽やかなメロディーが多くの観光客を引きつけています。レストラン「金昌食府」の入り口で、厳金昌さん(75歳)が楽しそうに接客しています。厳さんは40年前、村人たちとともに、大量の赤い指紋が入った「命がけの契約書」を手に、農村改革の幕を開きました。その物語は今でも広く伝えられています。
中国の農村ではこの40年間、家庭を単位として集団組織(村、組)から土地など生産資料の使用権や生産任務を請け負う「家庭生産請負制」が全面的に実施され、大きな力を生みました。8億人の農家のやる気を引き起こし、全国の穀物生産量は年ごとに増えています。厳さんも、そんな小崗村の40年間をつぶさに見てきました。
去年、小崗村の1000ヘクタールの耕地のうち60%以上が主要穀物の栽培主もしくは企業の手に移り、村民4209人が株主となり企業から収益を割り当てられるようになっています。
そして、一部の農家はレストランやホテルを建てたり、あるいは村の企業に勤め始めたりしています。厳さんの5人の息子のうち、4人がレストランやコンビニを経営しています。村が発展するにつれて、出稼ぎに行っていた村民が次々とUターンし、レジャー施設を経営したり会社勤めしたりするようになりました。
現在、国家4A 級観光地である小崗村は、5級観光地への昇格を目指しています。安徽省の中心地・合肥市の大学を卒業した厳さんの孫の連栓さんは、楽しかった都会暮らしを捨てて村へ戻り、今は観光センターに勤めています。「村を訪れた観光客は去年100万人に達し、今年はもっと増えている。職場は村の窓口であり、この仕事はとても大事だと思う」と話しました。(hj 森)