北京
PM2.577
23/19
中国の古典に「苟(まこと)に日に新(あら)たに、日々に新たに、又(また) 日に新たに」とある。これは、「一日が新たなものとなるならば、一日のたびにそれを新たなものにし、新たなるを更に新たにすべきである」との意味を表す。千年以上にわたり、セルフ・イノベーションは中華民族の最も際立った先天的能力であり、中国の人々の進歩を求める思想の源泉であり、中国の持続的発展の最大の原動力となっている。
改革開放政策施行以来の40年、特にこの数年において、イノベーション駆動型発展とイノベーション型国家建設戦略のリードの下、中国の人々のイノベーション活性は更なる進撃を遂げた。FASTによる宇宙観測、量子衛星QUESS、高速鉄道、南海におけるメタンハイドレードの試掘成功、アリペイとウィーチャットペイによるキャッシュレス生活等々、2017年、テクノロジーの進歩の中国経済の成長への貢献率は57.5%に上り、「2020年に60%」の目標に近づいている。特許申請は138.2万件と、7年連続で世界の首位につけ、R&Dへの投資も1.75兆元となり、GDP全体における比重は2.12%となっている。そして、国際的学術誌での掲載論文は9年連続で世界2位につけている他、WIPOの2018年グローバルイノベーションインデックスでも初めてトップ20に食い込んでいる。
世界経済フォーラムのファウンダー兼会長であるクラウス・シュワブ氏は最近、公の場で、「中国は既にイノベーション型社会の礎を築いている」とし、米国立科学財団(NSF)もそのレポートの中で「中国は掛け値無しの世界第二のR&D大国に成長しており、R&Dにおける支出はEUの総和に迫っている」としている。
「北斗」ナビゲーションシステムを例にとれば、10年前、中国のサテライト・ナビゲーション・デバイスのチップ、モジュール、ソフトウェアは、そのほとんどが輸入に頼っていたが、現在では「北斗」のコア・パーツは全て国産化され、更に80以上の国家と地区に輸出されるようになっている。
現在、人類社会は第4次産業革命の真っ只中にある。今回はAI、クリーンエネルギー、ロボット・テクノロジー、量子情報テクノロジー、VR、バイオ・テクノロジーを中心とする全く新しい形のテクノロジーの革命だ。中国は確かに様々な分野で世界をリードはしているが、飛行機のエンジンやチップに関してはその大部分を輸入に頼っているし、国内各地の経済と技術の発展レベルはなお不均衡だ。世界でも最高クラスに位置付けられる科学雑誌『ネイチャー』が算出した各国及び各研究機関の基礎研究の成果創出指標によれば、中国は常に二位につけているものの、研究力指数では米国の二分の一に止まっている。これは、中国のイノベーション領域におけるポテンシャルの大きさを示すものであり、なお大きな発揮と応用のフィールドが必要であることを示している。
経済のグローバリゼーションが深まる中、全てのイノベーション課題に自ら答えを出せる国は存在しない。こうした状況については、習近平国家主席が今年、中国でもトップの科学者らに向け、「中国が中国の特色あるセルフ・イノベーション路線を進め、世界のテクノロジー・イノベーション・ネットワークに融け込み、世界のテクノロジー・ガバナンスに深く関与し、中国の知見を提供し、人類運命共同体の構築を推進していかなければならない」との考えを示している。最近もまた、習主席はWAIC2018にメッセージを寄せ、中国がAI領域で各国と「共に発展を促進し、共にセキュリティを守り、成果を共有する」との意思を強調している。
これらが示すものは、中国は既にセルフ・イノベーションを国家のテクノロジー開発の基本路線とみなしているということであり、責任ある大国として、全てのイノベーターが時代の求めに応え、人類の美しい未来の創造を築けるよう、世界のテクノロジー業界と密接な協力を行い、世界のテクノロジーの進歩と人類の発展に更なる貢献を惜しまぬという思いだといえよう。(CRI論説員)