北京
PM2.577
23/19
今日24日は中国の伝統的な祝日である中秋節に当たる日だ。この日、中国は『中米経済貿易摩擦における事実と中国側の立場』白書を発表、中米経済貿易協力が互恵共栄関係にあるという実質を明らかにし、米国のスーパー301条調査報告における中国側に対する事実無根の非難を真っ向から否定し、中国の中米経済貿易摩擦に対する政策スタンスについて詳述を試みている。
米国政府が絶対多数の反対意見を顧みず貿易戦争をエスカレートさせ、世界経済の回復に強力なダメージを与える中で、中国政府がこの白書を発表することは、国際社会が客観的且つ理性的に中米貿易摩擦の経緯を現認し、中国側の中米の相互信頼や協力促進、齟齬への対処に対する提案や主張を理解することに役立つこととなろう。
今回の白書は全部で36000字に及び、中には大量のデータ、事例、グラフが含まれているが、その大部分は米国の政府機関、国際企業並びに世界でも著名な研究機関や研究者の専門書などを出典としてものであり、説得力に溢れた内容となっており、特に以下の三点が突出している。
一点目は、中米経済貿易関係の事実関係を洗い出し、米国の貿易保護主義と「親分主義」行為とその害を分析している点である。
白書は中米貨物貿易、サービス貿易、投資等の面から、大量のデータから中米経済貿易協力がウィンウィンの関係にあること、ゼロサムゲームには当たらぬことを示し、「米国大損論」が立脚点を持たぬものであることを証明している。また、白書は米国側のスーパー301条調査報告が中国側による「二国間の貿易不均衡」「不公平貿易」「強制的技術移転」「知財侵害」「政府による企業の海外進出を通じた先進技術獲得の後押し」「産業補助金政策」等の事実無根の非難に対し、確実な論拠を基に否定と反駁を行っている。白書はさらに、WTOの互恵共栄原則は各国の発展段階の差を考慮したものであり、真の意味での国際的公平性を有するものであると指摘している。
二点目は、白書が中国の中米経済貿易問題に関する立ち位置と国際関係に関する主張を詳述している点である。
白書は、①中国が国家の尊厳と核心的利益を揺るぎなく擁護していくこと、②中米経済貿易関係の健全な発展を揺るぎなく進めていくこと、③多国間貿易体制の擁護と改革による整備を揺るぎなく進めていくこと、④財産権と知的財産権を揺るぎなく保護していくこと、⑤外国企業の中国における合法的権益を揺るぎなく保護していくこと、⑥改革開放の深化を揺るぎなく進めること、⑦その他の先進国と広範な発展途上国との間における互恵共栄を旨とする協力関係を揺るぎなく推進していくこと、⑧人類の運命共同体の構築を揺るぎなく進めることの八つの面から全面的、体系的な論述を行っている。
三点目は、中米経済貿易摩擦問題の合理的解決に向けた道筋を示している点である。
白書は、中米両国は経済発展の段階や経済制度が異なることから、経済貿易摩擦が存在することは正常なことであり、問題は如何に相互信頼を増進し、協力関係を促進し、齟齬に対処するかという点にあるとしている。
白書は、中米経済貿易摩擦は世界経済の安定と繁栄、世界の平和と発展に係る事柄であり、妥当な解決をはかるべきであると指摘している。中国は今、米国と歩み寄り、積極的にバランスの取れた、包摂性ある、ウィンウィンな中米経済貿易の新秩序を築いていきたいと考えているのである。
貿易戦争に勝者は存在しない。根本から問題を解決しようとするならば、冷静な態度でこの白書を読み解き、中米経済貿易が極めて強い補完性を持ち、深く結びつき合う互恵共栄関係にあることを客観的且つ理性的に認識するとともに、国民福祉の角度から思考を巡らせ、中米経済貿易摩擦解決に向けた正しい道筋へと回帰すべきであろう。