北京
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張艾嘉(シルヴィア・チャン)は1953年生まれの台湾出身の女優で歌手、映画監督でもあります。1973年に映画『いれずみドラゴン 嵐の決斗』で女優デビュー。その後、1976年に『碧雲天』で第13回金馬奨(台湾版アカデミー)の最優秀助演女優賞を受賞。1981年に『我的爺爺』で第18回金馬奨最優秀主演女優賞したのち、1986年に『最愛』で第23回金馬奨最優秀主演女優賞を再び受賞。2002年には『地久天長』で、第21回香港電影金像奨(香港版アカデミー)最優秀主演女優賞を受賞しています。
70年代から80年にかけて女優として好評を受けつつ、1978年には『舊夢不須記』で映画監督デビューをも果たしました。1995年に脚本と監督を務めた映画『少女シャオユー(原題:少女小渔)』は第第40回アジア太平洋映画祭西遊作品賞と最優秀脚本をダブル受賞。また、1999年の監督作『君のいた永遠(とき)(原題:心動)』は香港映画金像奨最優秀脚本賞を受賞。
彼女は女優、監督、脚本家として活動すると同時に、各地の映画祭の審査員としても活躍しています。1992年には、世界3大映画祭の1つ=第42回ベルリン国際映画祭で審査員を務め。2014年にも金馬奨の審査員長を務めたほか、今年は8月29日から9月8日まで開催された同じく世界3大映画祭の1つ=ベネチア国際映画祭で主要賞を競うコンペティション部門の審査員を務めました。中華圏の女優や映画監督が同映画祭の審査員に選ばれたのは、許鞍華(アン・ホイ)や鞏俐(コン・リー)、張曼玉(マギー・チャン)らに続いてこれで7人目となりました。
そんな張艾嘉ですが、歌手としても活躍していました。1985年7月にファーストアルバム『忙与盲』が発売となり、当時の「台湾百大唱片(台湾レコード・ベスト100)」に選ばれました。さらに、1992年のアルバム『愛的代価』に収録された表題曲は中華圏全域で大ヒットし、いまでも数々のシンガーによりカバーされる名曲中の名曲です。
近年、張艾嘉は音楽シーンからは遠ざかっており、映画に専念しています。特に注目を浴びた作品は昨年中国で公開され、主演&監督を務めた『相愛相親』。これは田舎にある父の墓をめぐる、3世代の女性のそれぞれの思いを彼女ならではのユーモアを交えて描き出した感動作で、昨年の東京フィルメックスでオープニング作品として上映されたほか、台湾の金馬奨で監督賞も受賞。さらに今年9月1日より『妻の愛、娘の時』のタイトルでYEBISU GARDEN CINEMAをはじめ、日本で一般公開されています。興味をお持ちの方はぜひ劇場まで足を運んでみてください!
(ミン・イヒョウ 謙)