北京
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1960年代、相次いで独立を果たしたタンザニアとザンビアが鉄道の敷設を計画した。かつて半植民地化された経験を持つ中国は、当時、経済的にかなり苦しかったにもかかわらず、長年の植民地支配を受けたアフリカ各国の独立への願いをくみ取り、この1860キロに及ぶ路線の建設を引き受けた。そして60人以上の尊い命を捧げた末、1976年7月に開通を果たしたのである。この鉄道はスワヒリ語で「自由の線路」と言われ、中国がアフリカ各国の解放や独立を支持する上での象徴的存在となっている。
中国とアフリカの関係において一貫したキーワードは、友好協力と共同発展である。2000年に始まった中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)は、2006年の北京サミットで両者の関係発展を促す8つの政策を打ち出し、さらに2015年のヨハネスブルグサミットでは「十大協力計画」を掲げて、次第に中身の濃いものになっていった。
そして一昨年の10月には、エチオピアの首都アディスアベバとジブチの間に、中国の基準や装備を全面的に導入して中国企業が建設したアフリカ初の電化路線が開通した。タンザニア・ザンビア線に次ぐ中国建設の国際鉄道は「新時代のタンザニア・ザンビア鉄道」と呼ばれた。
さらに去年の5月、ケニアのモンバサとナイロビの間で同じく中国企業の建設による標準軌の鉄道路線が開通した。旅客列車の設定時速は120キロ、貨物列車は80キロで、「アフリカ版高速鉄道」と言われ、これにより4万6000人の雇用が創出されてケニアのGDPを1.5%押し上げた。この路線はいずれウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、南スーダンなどの鉄道と接続し、東アフリカの大動脈となるであろう。
FOCACが深く定着し、成果をもたらした訳は、「真の心遣い」と正義や利益を見る確かな目があったからである。2013年以降の5年間で習近平国家主席は4度もアフリカを訪れ、特に就任時と2期目当選後の最初の訪問先をいずれもアフリカとしている。またアフリカにとって中国は9年連続で最大の貿易相手国であり、中国からアフリカへの投資総額は1100億ドルを超えている。そして中国は、アフリカで国交のある世界最貧国33カ国に対し、輸入品目のうち97%をゼロ関税としている。さらに過去3年間、2万人以上の政府奨学金対象者や1700人以上の学位取得者を出しているほか、国連安保理の常任理事国で最も多い約2000名をPKO部隊としてアフリカに派遣している。以上のことから、中国とアフリカは痛みを分かち合うどころか強国への道を歩んでいるのだ。
単独主義や貿易覇権主義が台頭する入り組んだ国際情勢にあって、中国とアフリカの協力は、質や効果を上げて一段と緊密な運命共同体となる必要がある。9月3日から4日にかけて行われるFOCAC北京サミットでは、「一帯一路」の建設やアフリカ連盟の「2063年アジェンダ」、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と、アフリカ各国の取り組みを深く結びつき、両者がより緊密な運命共同体となって、伝統的な友好で24億人に福祉をもたらすと見られる。
開催間近なFOCAC北京サミット。中国とアフリカの関係に画期的なコンテンツを与え、期待できるビジョンを示すものになるだろう。