北京
PM2.577
23/19
日本人スタッフの星和明です。中国に来てから日本語を学ぶ大学生、日本語教師の先生とお会いする機会がよくあります。私自身も日本人アナウンサーとして、大学で教鞭を執る機会を頂くこともしばしばです。
そんなご縁もあって、このたびは北京科技大学日本語学科プレゼン大会の審査員を務めてきました。
今回の大会は日本語学科3年生のプレゼン実習の一環で行われました。つまり、ほとんどが日本語をゼロから学び始めて3年ほどという学生による発表です。事前の予選を勝ち抜いて本戦に進んだのは11人。どの学生も流暢な日本語、工夫を凝らしたプレゼンで、日頃の学習成果、プレゼンに向けた練習量を感じ、あっという間の時間でした。
今回の発表内容は「私が関心を持つ企業」。
学生自身が興味のある企業を選んで、業務内容や魅力についてプレゼンしました。日本、中国を問わず、大手からベンチャーまで登場。中国企業では、中国式おでん「麻辣烫」チェーン、インターネット企業、教育ベンチャーなどがあり、日本企業では、出版、物流、メーカー、小売業など多種多様な業種を紹介してくれました。
中国では、世代を表わす言葉として、1980年代生まれなら「80後」、90年代なら「90後」という表現が使われます。そして、今回の主役の学生たちは「95後」で、まさに今の若者たちの職業観を知ることができました。
発表を聞いた私の印象では、社会的影響力、社会貢献性、また、社員食堂や社内コミュニケーション環境などの福利厚生を重視する傾向にあるように感じました。そして、会社の理念に共感できるかどうかも大事な要素のようです。ネームバリューよりも自分に基準を置いた「働きがい」、「働きやすさ」に注目している様子が垣間見られました。
今回のように就職活動が本格化する前に日本語という外国語を使って、企業研究することは、社会、世界に対しての視野も広がり、働くことへの選択肢や考えがより深まっていくのではないかと思います。
大学生たちの物怖じしない、未来に向かう力強さを感じることができた一日でした。もちろん、審査員とプレゼンターの務めもしっかりと果たしてきました。(星和明)