北京
PM2.577
23/19
今年は中日国交正常化45周年です。この記念すべき年を迎えるに当たり、中国国際放送局は特別企画「国交正常化45年の歩みーあの日、その時」を毎週土曜日にお送りしています。
今日は、中日の合作映画から、両国の映画による文化交流を見てみましょう。お相手は張怡康です。
昨日22日、中日両国合作の最新映画「空海」が中国で上映されました。空海は弘法大師としても知られる有名な遣唐使です。中国語のタイトルは、ミステリアスな印象を与える「妖猫伝(化け猫伝説)」。映画は、唐の最盛期に空海が中国に渡った時、天才詩人の白楽天と共に王朝を震撼させる怪事件に巻き込まれ、謎を解いていくというものです。中国でも大人気の『陰陽師』をはじめ、数多くの名作を持つ夢枕獏の小説『沙門空海 唐の国にて鬼と宴す』を原作に、「さらば、わが愛/覇王別姫」「始皇帝暗殺」など数々の傑作を手掛けた名匠ーチェン・カイコーが監督を務めています。この作品は、7年間の準備期間と2年間の撮影・制作を経て、ようやく今年末の上映を迎えました。日本での公開は、2018年2月の予定です。
中日合作のこの映画には、両国の名俳優が勢ぞろいしています。ダブル主演として、日本側からは海外作品初挑戦となる染谷将太さんが空海、中国側からは、空海の相棒となる白楽天を中国の人気俳優ホアン・シュアンが務めています。このほかにも日本からは阿部寛さん、松坂慶子さん、河野洋平さんが出演しています。
今回の日本人俳優の中で、松坂慶子さんは以前にも中日合作映画に出演しています。その作品は1982年に上映された中日国交正常化10周年を記念する戦後初の中日合作映画「未完の対局」です。松坂さんによりますと、当時は毎年、両国の俳優らによる交流活動が中国で行われていたそうです。それから35年の間、両国では30作品以上の合作映画・ドラマが作られてきました。続いてはその中でも代表的な作品を振り返って見ましょう。
まずは「未完の対局」です。中日合作映画の始まりとも呼ばれるこの映画は、中日両国における盛んな囲碁交流を背景に、中日戦争に翻弄されながらも数十年にわたって続く日本と中国の二人の棋士の人生と友情を描きました。戦争によって中断していた囲碁の対局を万里の長城の上で棋譜を思い出しながら続けるラストシーンは、多くの人々の心に残りました。主役の松波麟作を演じた三国連太郎さんは、「両国国民が手を携えて友好を続けられるよう願う」と語ったそうです。また、中国側の制作会社である北京映画撮影所の所長は、「両国国民の友好交流と経済文化関係を『未完の対局』と見なすなら、絶え間なく続く友好交流は、本当の意味での『未完の対局」になるでしょう』と話したということです。
そして6年後の1988年、井上靖さんの小説『敦煌』を原作にした「敦煌」が上映されました。制作発表から上映までに14年間も費やし、撮影のために甘粛省に2700万元(約4億6千万円)の撮影セットを作り上げました。この作品は、日本で興行収入82億円となってその年のトップを飾り、1980年からの日本の上映映画歴代ランキングでも、58位の好成績を挙げています。主人公が戦乱を経て、敦煌の文化遺産を守るために努力する姿を描いたこの作品は、翌年の日本アカデミー賞で最優秀作品賞や最優秀監督賞など7つの賞を受賞しました。歴史を深く研究し、服装から礼儀、戦争まで当時の様子を完璧に再現したことで、中国の観客からも「傑作」と呼ばれている作品です。
両国合作映画の題材は、歴史からアクション、ラブストーリー、家族物語など様々で、近年では残留孤児を題材にした中日友好40周年記念作品の「明日に架ける愛」、言葉を越えて心を結ぶ「アバウト・ラブ」、芸者の生涯を描く「SAYURI」、赤壁の戦いを描いた「レッドクリフ」など、多くの名作が挙げられます。また最近では、「空海」のほか、中国人が日本に触れるきっかけとなった最初の映画、1976年公開の「君よ 憤怒の河を渉れ」のリメイクとして、「追捕 MANHUNT(マンハント)」が上映されました。1976年版の映画は中国でも大ヒットしたため、この中日リメイクへの期待は公開前から高まっていました。主演の福山雅治さんと張涵予(チャン・ハンユー)さんがプレミア上映会で1976年版映画の主題歌「杜丘の歌」を熱唱し、来場者の懐かしい記憶を呼び起こしたというエピソードもあります。
そして映画だけに止まらず、両国間の合作ドラマもあります。放送70周年記念番組として、NHKは中国中央テレビ局(CCTV)と共同制作で、山崎豊子さんの『大地の子』を原作に、中国残留孤児、陸一心(ルー・イーシン)の波乱万丈な半生を描いた物語「大地の子」を1995年に放送しました。独特な時代の中、日本人も中国人も一生懸命に生きる姿に、多くの視聴者が涙し、心を打たれた作品でした。
両国の合作映画・ドラマ交流は様々な形によって行われています。両国の俳優らによる共演以外にも、中国の映画作品の仕上げ作業を日本で行う、技術面での協力、相手国での撮影、相手国の作家の原作をリメイク・実写化、相手国の映画作品を本国で放映するなどの形が挙げられます。そしてこのような映画合作交流は、現在進行形で続いています。「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、「プロポーズ大作戦」などの若者に大人気な作品や、20世紀末の移民ブームがもたらした家族の変化を描く映画「離秋」が制作中です。両国の映画合作交流は、両国交流の重要な一環で、両国国民の相互理解を深め、誤解を解いていく面で、少しずつ確実に役割を果たしてきていると感じます。このソフトパワーを更に手を携えて蓄積して文化産業を育んでいき、より素晴らしい交流が続いていくことを期待しています。
特別企画「国交正常化45年の歩みーあの日、その時」、今日は中日の合作映画から、両国の映画による文化交流を振り返りました。お相手は張怡康でした。
ギャラリー