第25回 「残留孤児訪中団~帰郷と報恩の旅」

2018-04-23 11:33  CRI

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 中日国交正常化45周年特別企画 「国交正常化45年の歩み―あの日、その時」。

 今年は中日国交正常化45周年です。この記念すべき年を迎えるに当たり、中国国際放送局は特別企画「国交正常化45年の歩み―あの日、その時」を毎週土曜日にお送りしています。今週は、「残留孤児訪中団~帰郷と報恩の旅」についてお届けします。お相手は王洋です。

 帰郷と報恩の旅で6月22日から中国入りした、日本の中国残留孤児代表団がハルビンでの訪問を終え、25日に北京に到着しました。この日の午後、北京大学国際関係学院では、学生や教職員を交えた交流会が開かれました。

 今回の訪中団は、日本に帰国した中国残留孤児の会「NPO法人中国帰国者・日中友好の会」が国交正常化45周年を記念するため、企画したものです。日本各地14の地域から中国残留孤児とその二世およびや関係者102人が参加しました。

 交流会ではまず座談会が開かれ、「日中友好の会」の池田澄江理事長の池田澄江氏はその席上、「戦争は私たちに多くの苦難をもたらした。日本は敗戦後、軍人や官僚から先に引き揚げ、4000人余りの幼い子どもが残され、中国人の養父母に育てられた。養父母が敵国の子供に対し注いでくれた愛情も永遠に心に刻まれている」と述べました。

 さらに、このようにも語りました。

 「これは、世界でも他に例を見ないことです。私たちの代だけでなく、子子孫孫子々孫々に至るまで、日中友好を代々伝えていくために、尽力していくべきです」

 また、座談会に出席した北京大学の賈蕙萱教授は、訪中団の皆さんに次のような期待を寄せました。

 「皆さんの誰もが中日双方からの架け橋になれます。両国の平和と友好に向けて、絆としての役割をしっかり発揮してほしい。中日が友好的隣国として互恵協力を行うことこそが、国民の願いです」

 座談会の後は、団員と学生らによる交流公演が行われ、残留孤児が自らの体験に基づいて創作した朗読劇「孤児の涙」が、多くの観客の涙を誘いました。この作品は日本の軍国主義者による中国侵略と植民の歴史に触れ、中国からの引き揚げ時に足手まといになるとされて、現地に遺棄された子どもたちが中国人の養父母に引き取られていくシーンを再現しています。

 交流に参加した学生は、このように感想を語ってくれました。

 「『孤児の涙』を見て、心が揺さぶられました。戦争で傷を負った皆さんだからこそ表現できる、中国人養父母への心からの感謝、戦争のもたらした悲しみが伝わってきました。大変有意義な体験でした」。

 その後、池田理事長は記者のインタビューに対して、こう語りましたっています。

 「日本は私たちの祖国で、中国は故郷です。日本人と中国人は何世代にもわたって、兄弟姉妹として、いつまでも友好的に付き合ってほしい」

 翌日、今回の訪中団を歓迎するためのレセプションが、中日友好協会の主催により、北京市内の建国ガーデンホテルで開催されました。

 席上、中国人民対外友好協会の宋敬武副会長が中国側を代表してあいさつを行いました。

 「中日の善隣友好関係の発展が、両国だけでなくアジア地域の、ひいては世界の平和と安定のためにも重要だということです。これは時代の流れに適うことであり、両国民および国際社会が持つ普遍的な期待です」

 宋副会長はまた、「今回の訪中団の皆さんには、引き続き中日友好の信念を堅持し、自身の経験を基に平和友好の声を伝え広め、中日友好の架け橋の役割を果たして、両国の友好事業にさらに多くの貢献をしていってほしい」との期待を寄せました。

 在中国日本大使館の伊藤康一公使は、日本の孤児を親身になって育ててくれた中国の養父母に感謝の意を表すとともに、こう語りました。

 「このような感情は、血縁関係を超え、国境を越えて、人々を感動させるものです。近年、両国関係の改善は続き、多くの発展を収めてきました。今後両国は引き続き手を携えて共に進んで行いきたい」 

 レセプションでは訪中団の代表による演歌の披露などもあり、最後は日中友好の会の会歌「心の声を伝えたい」の大合唱でフィナーレを迎えました。「私には2つの家がある。1つは日本にあり、もう1つは中国にある。祖国に帰っても、中国の家をいつも懐かしく思う。中国の養父母がいなければ、誰が私を引き取り、私を育ててくれただろうか」という歌詞の一句一句が会場に響きました。

 これに先立ち、訪問団一行は22日に、日本からハルビン入りしました。ハルビンでは常設展と特別展「中国人養父母の広い心」を見学したほか、ハルビン音楽学院では、中国人養父母代表を迎えての報恩公演が開催されました。団員の一部は、方正県にある日本人墓地と中国人養父母の共同墓地の墓参りを行いまたしました。

 今回40年ぶりにハルビンに帰ったという木村琴江さんは、いま福岡で「帰郷」という屋号の中華料理屋を経営しています。訪問の感想について、このようにう感想を語ってくれました。

 「訪問の一番の目的は中国の養父母への恩返し。養父母がいなければ、私は生きていられませんでした。戦争は絶対あってはいけないこと。日本と中国にはずっと友好的な関係のままであってほしい」

 続いては、団員の中村恵子さんのお話です。

 「残留孤児の私たちは日本にいても、心は祖国である中国に残っています。私はもう75歳になりました。私たちの子どもたちが今後、中日友好のために、平和と発展のために架け橋となるような役割を果たすよう期待していきたい」

 1945年、日本侵略軍が中国東北部から撤退した際、現地に遺棄されて、中国人の養父母に育てられた当時13歳未満の子どもの人数は4000人以上いるとされています。その内の約2500人が1980年代以降、日本に帰国しました。帰国者の平均年齢は今、78歳を超えています。

 中日国交正常化45周年記念特別番組「国交正常化45年の歩み―あの日その時」。今回は「残留孤児訪中団~帰郷と報恩の旅」をお送りしました。お相手は王洋でした。

ラジオ番組
10月29日放送分
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