北京
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中国最先端のAI(人工知能)・音声認識技術を持つアイフライテック(科大訊飛/iFLYTEK)社は4月20日、北京で、翻訳分野の戦略および新製品の発表会を行いました。同社製翻訳機のフラッグシップとなる新型「訊飛翻訳機2.0」が23日から正式に一般販売を開始します。
「訊飛翻訳機2.0」には中国語と33言語の瞬間音声翻訳のほか、広東語・四川語・東北語・河南語の4つの中国語方言と外国語との翻訳、さらに看板やレストランのメニューなどを内蔵カメラで読み取り自動翻訳する画像翻訳などの機能が備わっています。また、4G通信とWi-Fi通信に対応しているほか、前もってデータをダウンロードすることで、ネットに接続できない環境でもオフラインモードで使用することが可能です。
なお、同機の一つ前のモデルである「訊飛翻訳機1.0」は2016年11月に発売され、130以上の国で計20万台以上の販売実績をあげています。
今回の発表会では、アイフライテック社CEOの胡郁氏が、機械翻訳の発展と中国音声産業連盟との連携という視点から、同社のビジョンである「人類の運命共同体、世界言語の相互伝達」について説明しました。その上で、「正確な聞き取り(収音能力)」「精確な理解(音声認識)」「的確な訳出(翻訳能力)」「自然な発音(音声合成)」という同社発のAI翻訳4大基準を打ち出しています。
「訊飛翻訳機2.0」は定価2999元。ネットショッピング大手・京東商城(JD.com)では先行予約販売がすでに始まっており、4月23日以降はその他のECサイトでも販売を開始するということです。
アイフライテック社は1999年12月に安徽省合肥市で創立されました。音声認識、言語技術研究、音声情報サービスなどに特化し、現在ではAI分野において中国を代表する企業となり、2017年には米マサチューセッツ工科大学が毎年発表する「世界で最も革新的な企業50社」の第6位に選ばれています。
同社の手掛けたAI翻訳機は、国連やボアオ・アジアフォーラムなど多くの国際会議に納入されています。今回の発表会に先立ち、同社は4月17日にジュネーブで国際電気通信連合(ITU)と音声技術やAIをめぐり、戦略的提携を結んだばかりです。
アイフライテック社は、個人消費者向けの「訊飛翻訳機」シリーズのほか、業務用では中国語音声をリアルタイムで文字に置き換えるAI会議ソリューション「訊飛聴見」を2015年にローンチしています。20日の発表会では「訊飛聴見」のバージョンアップ版がお披露目となり、登壇者の中国語での発言などを含む全過程がリアルタイムで英語にも翻訳され、スクリーンに表示されました。
(取材:王小燕、梅田謙)