北京
PM2.577
23/19
京津冀一体化(まず中国語で、その後日本語発音で「けいしんきいったいか」)、日本語では「北京天津河北の一体化」という言葉が、ここ数年よく耳に入って来るようになっています。この「二都市プラス一省」は、元から地理的にも隣り合っている存在です。それが今、なぜしきりに一体化を提唱するかと言うと、そこには首都北京の飽和という厳しい現状が浮かび上がってきます。
ここ数年、北京の都市としての規模が大きくなるに連れて、人口の増加や都市建設の不均衡など、北京市だけでは抱えきれない問題が増えています。どれだけ大きな国にせよ、都市にせよ、そしてどれだけ優秀な人にせよ、キャパシティを超えた状態はそう長く維持できるものではありません。そこで、首都の一部の機能を隣の天津や河北省に移そうと言う声がだんだんと大きくなって来たわけです。
今日のチャイナビジョンでは、そうした背景の中で提唱されるようになった「北京・天津・河北一体化」構想の中でも、とりわけ重要な民間航空のインフラ施設――空港についてスポットを当ててみたいと思います。
国家発展改革委員会と民用航空局は、このほど、「北京・天津・河北エリアと民間航空の協同発展推進に関する実施意見」を発表しました。
この「実施意見」によりますと、今建設中の首都第二空港、つまり天安門から南へ46キロのところにあるいわゆる北京新空港は、3年後の2020年までに建設を完了し、運用を開始することが予定されています。そして、ここを利用することで、今ある首都空港を利用する外国人旅客の割合を2ポイントから3ポイント引き上げることが計画されています。そして、肝心の「一体化」を実現するための措置として、北京の二つの空港と天津空港、そして石家荘空港をつなぐ鉄道などの交通手段の整備を行います。
そしてその10年後、つまり2030年には、北京の二つの「中枢空港」の本格運営を実現、世界でもトップレベルの競争力を備えることを目指します。また、石家荘空港についても、航空ネットワークの中での影響力の大幅な向上をはかる他、まず天津を国際航空物流の中心へと育て、北京・天津・河北エリアの主要空港間を鉄道などで効率的に連結し、それぞれの分業と協力を通して、強みを活かした相互補完関係を実現、空路・陸路での連絡輸送と協同発展が可能な//世界レベルの空港ネットワークを構築することが謳われています。
分業の面では、北京の二つの空港は主に国際線を担当し、今まで首都空港から発着していた国内線については、できるだけ天津と石家庄の空港へと振り分ける方針が立てられています。そして国内線の輸送客の足を北京へとつなぐため、この四つの空港の間に鉄道などの移動手段を整備し、空港間の移動の便をはかっていきます。
こうした大きな目標の実現には、当然のことながら、様々な作業が必要になります。
その一つ目には、北京新空港の建設に始まり、天津濱海空港の改修・拡張工事、国際航空物流センターの建設、石家荘正定空港の改修・拡張工事などを加速させ、地域の航空ハブの段階的構築を進めることがあげられます。
二つ目には、この四空港の協力体制を構築することが挙げられます。今後、これら四空港では、協同運営・統一管理を行うことが計画されています。そのうち、北京新空港は、運営の初期段階から国際線への資源投入を強化したり、北京の二大「中枢」の建設を利する通航権の配分を行ったり、フライトの発着時刻調整をしたり、市場参入の許認可や差別化された料金徴収に関する政策の制定・整備を行うなどの措置を通して、「三地四空港」を拠点空港とする航空会社の統合的運営を後押しして行きます。
三つ目は各種手続を簡素化することが挙げられます。「実施意見」によりますと、「三地四空港」ではイミグレーション手続を簡略化し、税関の監督管理条件を満たす出入国・税関審査のワンストップサービスを実施、北京・天津・河北エリアにおける一部の国を対象とするトランジットビザ免除政策を実施するほか、航空貨物輸送の年中無休の通関サービスを実現させるなどの措置が開始されます。
こうしてみると、今回の計画が極めて壮大なものであることに改めて気付かされます。計画では、3年後には新空港が竣工し、運用が始まることになります。ちなみに、私の自宅は現在の首都空港に近い場所にあるので、正直に言えば新空港には通いたくありません。ですが、この先、四空港の分業が進めば、首都空港周辺での今のような混雑状況も緩和され、気持ちよく旅立つことができるのではないかと想像しています。規模でいえば、今の首都空港はすでに非常に大きな規模を持つ空港なのですが、新空港は想像を超える大きさを備えることになりそうです。私たちの生活も、見る見るうちに変わっていくことでしょう。地域一帯の人々の期待も高まっています。
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