「大学を卒業する時、すぐ国家京劇院に入ることを決めましたか？」

　「いいえ、そうではありませんでした。その時はとても戸惑いました。僕はずっと学校にいるので、外の世界をあまり知らなく、急に学校から離れることになってとても不安でした。しかし、俳優として僕はこの一歩を出なければならなくて、北京京劇院や国家京劇院の入試をいろいろ受けてみて、国家京劇院の三団に選ばれました。が、僕はやはり不安で行けなく、ある日三団の張建国団長が自ら僕に電話をかけてくれました」

　「団長さんが自らですか？」

　「信じられないでしょう。僕に演じさせたい演目があって、それは『趙氏孤児』の趙武でした。その後は連続して『白帝城』の趙雲と『龍鳳呈祥』の趙雲を僕に演じさせました。それにきっかけをして僕は正式に国家京劇院の三団に入りました」

　「京劇の俳優にとって、何が一番大切なことだと思いますか？」

　「舞台です。簡単に見えますが、舞台にのぼってこそ京劇の俳優といえます。そこには、僕たち俳優としての誇りがありますから」

　俳優としての誇りという短い言葉を深く、私の心に刻みました。（楊）