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王璐:「今」は何よりも

2009-03-16 10:17:52     cri    

 「一目で父親を見つけましたか?」

 「いいえ、全然見つけられませんでしたが、ある人物が舞台に出て、観客がみんな割れるような拍手でしたので、きっと僕の父と思いました。僕にとって、もっとも記憶が深いシーンは、公演が終わって楽屋に入ると、父の汗がぽたぽた流れた姿です。僕が京劇に興味がわいたのはその時からかもしれません。そして、両親に京劇を勉強したい考えを話したら、母は断固として反対しました」

 「それは何故ですか?」

 「僕は南方の出身で、『武生』という役柄はおろか、京劇も不景気です。しかも京劇の苦しみをよく知っている上、自分のたった一人の子をさせたくないのも普通でしょう」

 「父親の方は?」

 「父は賛成もしなくて反対もしませんでした。ただ試してみてもわるくないと言い、それで、僕は地元の劇曲学校に通い始めました。しかも、地元で勉強するのではなく、京劇の発祥地の北京で勉強するので、毎日も楽しんで過ごしました。4年の時間はあっという間に経って、卒業する日がやってきて、ある兄弟子は『本当に京劇をやる気があるのなら、北京にいた方がよいですよ』と僕に勧めたので、僕は中国劇曲学院に入りました。大学にいる時に、なんだか少し迷っていました」

  

 「どうしてですか?」

 「実は、『武生』という役柄は現在の京劇ファンたちに歓迎されていません。立ち回りの演目より、味わいがある歌を主とした演目の方が人気を呼びます。いくら優れていても何もならないと思って、諦めるさえ考えましたが、やはり諦められませんでした。僕はほかのクラスメイトと違い、誰かになりたいとか、ハイレベルに達したいとかという考えがなく、ただ目の前のことをきちんとすればいいと思います」

 「あまり野望がないでしょうか」

 「そうとも言えます。僕は、『今』は何よりも大事なことだと思っています」

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