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北海道スキー連盟常任理事・三品章男さん(下)

2012-01-20 13:12:01     cri    

 ■世代も国籍も超え 雪で結ばれた絆をどこまでも

 ――三品さんは古希になっても、海外とのスキー交流に奔走していますが、支えになっているものは何ですか。

 私は去年の11月12日に70歳になりました。この70歳が待ち遠しくて、喜びを深く感じています。「70歳まで現役でスキーをする」のが自分の夢だったので。今、実際にバリバリとスキーをしていますし、一番先頭に立って、海外との交流にも出かけられるようになっています。ましてや、夢の国、中国に来られるとは思ってもいませんでした。

 スキーの魅力というのは、お金では買えない人の心の支援を沢山もらえることです。毎年関わった人に、「また元気に一緒にスキーしたい」と言われている喜びが、今の僕を支えています。

 ――「夢の中国」とおっしゃいましたが…

 日本では、私らの年代の人にとって、中国には生きているうちには来られないだろうと思っていました。しかし、来てみたら、考えていた印象とは違い、非常に歓迎されるし、歴史ある国に足を踏み入れることで、感動の毎日です。

 今、中国での事業を通して、アジアで一番大きい国で沢山の友人が作れることに最高の喜びを感じています。これから、中国で本物のスキーを理解してもらえる友達をもっともっと作りたいと思います。まだまだ頑張らないといけないと思いますし、まだまだ沢山できると思っています。

 ――雪を通して知り合った友は、普通の友達と違うのですか。

 その通りです。雪を通して知り合った友は、しっかりとした形で絆ができて、長年付き合って行けるものだと思います。

 指導者というのは、できることをできない人に導くのが仕事です。そういう形で、しっかりとその人とつながりを深めていくわけですから、強い信頼関係が生まれます。

 お互いにスキースポーツという同じ目的で繋がっているので、先生・生徒という上下関係ではなく、あくまで同じ目線に立って、一スキーヤーとして付き合うこと。私は自分自身はそうしてきたし、指導者にもそのように教えています。

 ――そこには言葉や国籍の壁を感じなかったということですね。

 人間として共通の認識を持って、共通の話題で楽しむということですから、言葉とか国籍とか全く関係ない。

 ただ、スポーツには、あくまでレベル差があるので、それをしっかりと認識しなければいけません。それは、レベルが上にいる者が、まだ自分のレベルに届いていない人に対する配慮を絶えず持っていなければいけないことです。スキーは危険なスポーツでもありますので、その配慮を欠いてしまうと大変な事故につながることもあります。

 また、スキーはあくまでも自己チャレンジ型のスポーツですので、自分が用意した壁に自ら向かっていく。たとえ親子でも、あくまでも自分で選択した壁にチャレンジしていくので、非常に深い友情関係ができていくのではないかなと思ってます。

 ――最後に、新しい年によせる期待は?

 3月11日の大震災の影響で、スキー場からお客さんが減り、本当に残念で悲しい思いをしました。でも、新しい年に向けて何かやらなければならない。

 スキー連盟という立場でしっかり行事を組み立てて、イベントをやっていこうと、それが一つ一ついい形で出来ています。今回、中国スキー協会との協力関係もその中の一つです。

 また、今、自分がしっかりやりたいと頑張っていることは、子供たちにスキーを通じて心身をたくましく鍛えてもらうことです。世代間を超えた交流をし、互いに尊重しながら仲間意識を持って生活できるようにしていきたい。

 中国の子供たちにも同じように伝えていきたい。幸い、今、遼寧省の瀋陽や黒龍江省のヤブリのスキー場から、「子供たちのスキー交流をぜひ」という話が持ち上がりました。この事業を通じて、中日両国の子供がたくましくなり、互いのことを思いながら良い大人になっていけるような導きができれば、私の人生はそれが最後でもいいかなと思っています。(聞き手:王小燕、整理協力:劉叡)

 【プロフィール】 

 三品章男さん 

 1941年樺太生まれの帯広育ち。2歳からスキーを始める。

 1964年に北海道スキー連盟に入り、69年で役員(技術の専門員)、89年から理事に就任。

 2004年にスキー交流で初訪中。現在まで16回にわたって中国を訪問。


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