■外国人観光客の増加は思いのマッチから
――そもそも中国人の沖縄観光はいつから始まったのですか。
上海から沖縄には10年前に航空路が開設されていましたが、今まではどちらかと言いますと、中国の方が沖縄に来るよりは、日本の人が上海に行くという形で、沖縄・上海便を利用していました。ここ2、3年、それが変わってきて、中国の方が豊かになってきたということもあるかと思いますが、日本、そして沖縄にたくさん来ています。
今、那覇のメインストリート・国際通りや、ショッピングセンター、アウトレットモール、ディユーティーフリーに行くと、中国語が普通に聞こえてきます。
――そもそも、観光業の沖縄経済における位置づけは?
観光業は沖縄の一番大きな産業で、GDPの20%を占めています。現在、毎年、600万人の観光客が沖縄を訪れますが、そのほとんどが日本国内から来ており、外国人は5%ぐらいしかいません。知事は観光客の人数を10年ほどで1000万人にすることを目標に掲げています。その中で、中国を始め、アジアの各国・地区からのお客さんは、非常に重要な位置にいらっしゃいます。外国人、特に中国から来る方に楽しんでいただけるような対応をこれから取っていきたいと思っています。
――海外からの観光客の誘致にずいぶん力を入れているようですね。
そうですね。去年からアジアに対する誘客活動をですね、強力に進めてきました。香港や上海でいろいろPRをしてきました。
少子高齢化のことを考えると、これから先、日本本土からの観光客が伸びるかというと、多分それほど期待できないと思います。他方で、アジアはこれからはもっと人口が増えますし、経済ももっと発展していきますので、海外に出たいという方もいっぱい出てくるはずです。リゾート地で、安心、安全、衛生的な場所で、しかも出来れば近いところがいいという意味では、沖縄が最適ではないかと思います。
一方、沖縄にとっても、中国を中心としたアジアの方にもたくさん来ていただきたい。沖縄側の思いと、中国側の思いが非常にマッチした、非常にラッキーだったなあというふうに思っています。
――経済の活性化に、観光業の発展は大きな貢献が期待されているのですね。
そうですね。沖縄県にとっては、経済的に非常に大きな夢があると思います。ただ、必ずしも経済的な事だけではないと思います。沖縄と中国は、500~600年前から強く深いつながりがありますので、文化的にも、歴史的にも交流をもっと盛んにしていくと沖縄の文化にもプラスですし、600年前に中国が与えた文化的な影響が今、沖縄でどのよう形で発展しているのかということも、中国の方に見ていただけ、中国にもプラスになるかと思います。
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