巨大地震後の日本、いま人々は(下)
つばめVS.坂東弘美さん(名古屋)、吉村澄代さん(京都)
前回に続いて、大地震が今後の日本をどう変えていくだろうかという話を中心に、ゲストの二人と一緒に気ままにおしゃべりしていきます。
地震国日本。世界の地震の3分の1が日本で起きているとも言われています。3月11日、大地震が引き起こした津波は猛威を振るい、見る間に世界中を驚かせる大惨事になりました。
災害と隣り合わせて暮らす中、日本は世界でも有数の防災先進国と言われてきました。それにもかかわらず、大津波の後、未だに収束の目処が立たない深刻が問題が続いています。原子力発電所の問題です。日本は一刻も早く放射能漏れを抑えるべく全力を尽くしているようですが、すでに排出された高濃度、もしくは低濃度の放射性物質を含んだ水が海にどのような影響を及ぼすのか、地球規模で目の離せない問題になりつつあります。
日本は、総電力の3割を原子力に頼っており、世界の原子力発電所の17%が日本に位置しています。資源の少ない日本にとって、原子力が提供した電力はかつて、日本の経済を支えていた事実もあります。
ただし、これまでは「安全だ」と強調され続けてきた原発そのものの脆弱さが今回の災害で露呈されたとも言えます。人類は様々なエネルギー利用の制約を受けながら、今後の発展に向け、原子力とどう向き合えば良いのか。あるいは、原子力発電のあり方そのものをどう見直せばよいのか。これは、日本にのみならず、世界共通の厳しい課題だと言えます。
1990年、日本の市民救援チームの第一陣の代表としてチェルノブイリに入った坂東さんは、「人々に希望を与える動きを伝えなくちゃ」と言い、チェルノブイリで現在行なわれている最中の「菜の花プロジェクト」の存在をPRしました。
「菜の花の根は放射能を吸い込む役割があるようです。2006年、チェルノブイリの放射能に汚染された土地で、有志たちが菜の花を植えて土壌の浄化を図っています。結果的に、菜の花の種からは放射能が検出されませんでした。その種を絞ってバイオ燃料にしています。こうした取り組みは、今度、福島でもきっと役立つでしょう」(写真はチェルノブイリ救援・中部のリポートから)
一方、京都・久美浜原発の反対運動に参加していた吉村澄代さんは、生活スタイルの改善が必要だと強く訴えています。
「夜中まで煌煌と電気をつけて、24時間営業する店が果たして必要なのか。大自然の夜は暗いものです。オール電化の生活を求めすぎたこれまでの姿勢を今こそ反省すべきではないか」。
そして、被災地の皆さんに贈る言葉は、歌詞にもなった「明けない夜はない、朝は必ず来る」、そして、「日本は必ず復興するのだ」という確信です。
皆さんもこの番組をお聞きになってのご意見、ご感想を寄せてください。
被災地の復興と放射能問題の一刻も早い解決を祈っています。(つばめ)
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