北京で働くシリーズ~【起業への思い】
つばめVS.万紅さん
長春生まれの万紅さんは1987年、大学進学で上京してからずっと北京で働いています。会社員やフリーランス通訳者を経て、現在は、10人の正社員を抱える翻訳・通訳エージェントの経営をしています。
社名の「北京大来」は、"大家来(みんなおいでよ)"から取ったもので、集まった皆でビジネスの輪、人の輪を広げていこうという意味が込められていると言います。
会社員とフリーランスの両方を体験した万紅さんは、「一人の力に限界があると感じ、自らの通訳実務で蓄えてきた経験と教訓を分かち合える場の創出」を目指したところ、海外移住を決めた「北京大来」の創業者である友人から「北京大来」を引き継ぐことになりました。再出発に向けての舵取りを始めて、既に7年が過ぎています。
現在は、傘下に翻訳者120人と通訳者80人が登録しており、昨年1年間で、引き受けた翻訳業務は文字数にして870万字に達しています。時には両国関係の波風でビジネスへの影響も出ましたが、2007年から業務量は拡大する方向をたどっていると言います。
ところで、「通訳・翻訳エージェント」をインターネットで検索にかけると、百万単位の結果がヒットしますが、数あるエージェントの中でも、北京大来の特色は通訳翻訳養成コースを併設した形での会社運営と言えます。
その養成コースは当初は自社と契約関係にある登録通訳・翻訳者に限定していましたが、現在はむしろ、養成コースを卒業してから契約を結ぶ方向に変わってきています。受講生には中国人も日本人もいて、それぞれ異なる言語を母国語にした人たちが一堂に集まって言葉の微妙なニュアンスについて切磋琢磨できるところが評価されています。回を重ねるごとに評判が広がり、その結果著しく応募人数が変化しました。当初はわずか4人からのスタートでしたが、現在は4クラス50人余りの人が集まり、定員を上回る受講希望者のなかには、次期の開講を待っていただくことも。
通訳翻訳養成コースを併設した理由は何か。そこには「通訳が大好き」な万紅さんのどのような思いが込められているのでしょうか。
一方、管理職を除けば、会社のコアメンバーの平均年齢は25歳。中国では自己主張ができる個性的な世代として知られる"80后"部下たちと付き合う時の心構えと工夫は?
そして、会社経営での究極の目標、果たすべき社会責任は?
経営者として日ごろ考えていることを遺憾なく語ってもらいました。
今回の"気ままに談談"では、ここでしか聞けない中国の日中翻訳・通訳現場の話がたくさんお聞きいただけます。
番組の最後には、通訳を目指して頑張っている若者に、万紅さんからのメッセージがあります。
「通訳という職業は、常に好奇心を抱いて、新しい知識を勉強しなければならない職業です。ゴールがない代わりに期限がある厳しい現実があります。だからこそ、今やれることを精一杯やらなければならない覚悟を持って、常に原点に自分を戻して、新鮮な気持ちで臨まなければなりません」
番組をお聞きになっての皆さんのご感想をお聞かせください。
(つばめ)
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