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在中国日本国大使館経済部参事官・柴田聡さん(上)

2011-03-09 16:02:06     cri    

中国の継続的な安定成長、日本にとっても極めて重要
























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 世界金融危機に迅速に対処し、高度成長を維持できた中国経済の仕組みを解説し、日本にとっての中国の成長の意義を、客観的に分析した中国経済の解説書『チャイナ・インパクト』が、昨年10月、中央公論新社から刊行されました。著者は現役日本外交官で、在中国日本国大使館経済部の参事官・柴田聡さんです。

 北京赴任前は、金融庁で不良債権問題の解決、財務省主計局で政府予算案の作成にも加わり、日本の経済政策策定の第一線で活躍していました。一方、中国とのかかわりで言いますと、子どもの頃、中国河北省承徳に住んでいた祖母から中国のことをよく聞かされていたものの、実際に訪れたのは、赴任が決まった後の2007年夏が初めてでした。

 北京、上海、甘粛での一週間の滞在を経て、「想像以上に発展していて、エネルギーに満ちている国」というイメージと同時に、貧しい農村の現場視察を通して中国の地域格差を知り、また、「農地の改良をして、貧困脱出に向けて頑張っている」人々の姿が印象に残ったと言います。

 中国勤務を打診された時、「今後、中国経済がどんどん大きなテーマになる。仕事面で一番面白い国だ」と思い、すぐ「OK」の返事を出したそうです。

 赴任した北京五輪開幕直前の2008年6月は、中国経済が絶好調の時期でした。しかし、それから間もなく、9月のリーマンショック以降、株価の下落、輸出の大幅な減少、大規模な工場閉鎖、出稼ぎ労働者の失業、経済成長率の鈍化などが相次ぎ、中国経済は大きなダメージを受けました。しかし、数ヶ月後には、中国政府から世界最大規模の内需刺激策が発表され、先進国よりもいち早く危機から歩き出し、いまや世界経済の回復を牽引するまでになりました。

 柴田さんは、この劇的な変化の過程を北京でウォッチングし続けていました。しかも、日本人の目という視点を忘れずに。そんな2年間、北京滞在の集大成として纏め上げたのが『チャイナ・インパクト』だと言えます。本の中で、中国人にありがちな、いわゆる「日本経験」への誤解を指摘すると同時に、中国の仕組みを理解しないまま安易に批判に走る日本人の「誤解」に対しても、緻密な解析でレスポンスをしています。そして、「私は日本政府の人間なので、まずは日本政府内の中で中国への的確な理解を広めていきたい」と執筆に寄せた思いを話してくれました。

 毎年3月は、中国では一番の国家行事が行われる月で、在北京の各国の外交官たちにとっても多忙を極める季節です。3月5日に開かれる全人代の全体会議には、柴田参事官も外交使節団の一員として招かれ、温家宝首相が行う「政府活動報告」を観客席で聴くことになっています。そんな全人代開幕直前の日、柴田さんに個人の立場としてCRIのインタビューに応じていただきました。

■ 中国経済の成長は日本にとってチャンス

————昨年10月、中央公論新社から著書『チャイナ・インパクト』が出されました。

 2010年、中国がGDPで日本を抜いて、世界第二位の経済大国になりました。日本と中国は近いし、ともに経済大国なので、日本での中国に対する関心も非常に高まっているにもかかわらず、中国経済の仕組み、経済政策がどのような考え方で行われているのかについて、日本から見るとよく分からないというのが実態です。

 私は経済政策の仕事を日本でもしていましたので、こういった経験を踏まえて、中国経済の仕組みについて、特にビジネスマンや学生の方を念頭にご紹介したいと思って書きました。

————今までの中国紹介の本と比べて、特にどういった面に注目して書かれたのですか。

 日本の国家機構と中国の国家機構が相当違うのは確かなんですが、中国の経済政策はいろんな調査や議論を踏まえて作られています。それがどういう発想法で、どうしてこういう対応をしてくるのかといったことを、経済政策を作るポリシーメーカーの視点から解説してみたいと思って、日本の仕組みとなるべく比較しながら、リーマンショック以降の中国の対策をなるべく時間軸に沿って、分かりやすく解説したつもりです。

————本の出版から4ヶ月ほど経ちましたが、これまで耳に入ってきた反響は?

 お陰様で、色んな方から非常に好意的な評価をいただいています。どうしても今まで日本で出版された中国関連の本は、ちょっとイデオロギー的なものとか、専門的過ぎるとか、ビジネスマンが読むには、なかなかハードルが高いものが多かったようですけれども、この本は最近の話を時間の流れに沿って、分かりやすく説明したということで、今までになかった新しいタイプの本だという評価をいただいています。

————ご本を通して、一番伝えたいメッセージは?

 日本の立場として、中国との関係、特に経済的な面で対立的にとらえるということは、実はあまり良くないということです。中国経済の成長というものに対して、むしろ、それを日本のチャンスとしてとらえて、中国の経済成長の果実をいかに日本経済の中に取り組んでいけばよいのか、というような考え方を皆さんと共有していきたいです。

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