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中村利雄さん 2005年日本国際博覧会協会事務総長 

2009-11-19 22:15:02     cri    

        愛知から上海へ 万博の成功に日本の経験を役立てたい

2005年日本国際博覧会協会事務総長

日本商工会議所専務理事・中村利雄さん

 




















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  上海万博の開催まで残り170日の11月12日、北京で第7回上海万博国際フォーラムが開かれました。 上海万博の誘致成功後、年に一度テーマを決めて、開かれているこのフォーラム。今回は、「世界の叡智を集め、都市の未来を共につくる」。開催日程は一日で、「持続可能な都市文明」、「多元的な都市文化」、「発展する万博の理念」という三つのテーマで話し合われました。
 2005年日本国際博覧会協会事務総長で、現在は日本商工会議所専務理事の中村利雄さんがパネリストとして招かれ、「万博は持続可能な発展ビジョンを共有化する重要なきっかけ」と題したスピーチをしました。フォーラム参加の感想と上海万博に寄せた期待などをインタビューしました。 

■中国のプレゼンスの向上に注目

――フォーラム参加のご感想は?

 今回のフォーラムは、開幕式に温家宝首相、閉幕式に王岐山副首相がそれぞれ出席し、スピーチをしました。中国政府の力の入れ方をまず強く感じました。とりわけ、温首相は講演の中で、万博の歴史から、中国が長い間、万博に対して寄せてきた思いを紹介し、更に話は、詳しい目的やその実現へのプロセスにまで及び、世界にアピールする内容のあるスピーチだったと思います。

 フォーラムを通して、今回の万博は持続可能な成長に力を入れていて、これをどのような形で世界に提示していくのか、視点が明確になってきたように思います。

――温家宝首相は講演の中で、万博の開催は五輪と同じように、中国人の百年の思いがこめられていると話しました。

 それだけ熱い思いがあることが良く伝わりました。日本も1851年、万博に初めて出展してから、開催するまでに120年かかりました。

 万博は非常に創造的なもので、心の余裕、経済的なゆとりは言うまでもありません。自分だけでできるものでもなく、世界各国からその重要性を認められることも必要です。

 上海万博には世界200以上の国々が参加しています。世界の国々が「中国が大事で、中国に自分たちの存在をちゃんとアピールして、理解してもらわないといけない」と、そう思う時代に入ってきたと思います。

■中国は万博の成功により世界から尊敬される

――上海で万博が開かれることの意義をどう見ていますか。

上海は世界の人々にとって馴染みのある国際都市です。急速な発展で、都市問題も当然掲げているわけですが、先進的な面と発展途上の両面を持ち合わせているだけ、両方の国から人々が集まるのに良い地にあると思います。また、日本にとっても近いところですし、ぜひとも日本の経験をお伝えして、成功に向けて貢献できることを光栄に思っています。

――世界の半分の人口が都市に暮らしていることを背景に、「より良い都市、より良い生活(Better city、Better life)」が上海万博のテーマになっています。

 今の世界的な問題というのは、世界の知恵が結集しないと解決できない。都市の発展という普遍的な問題に対して、世界中の人が自分たちがどのように解決していくのかについて意見や智恵、アイディアを交換していく。

 愛知万博は、今まで人類の歴史に奢りがあったという反省に基づき、自然の大事な仕組みを変えようというのではなく、それを尊重して、その枠組みの中で最大限に人類の智恵を発揮しようという考えでした。その精神は上海も変わっていないと思います。その仕組みを考える時に、Global Wisdomを集めようと中国が理解したのだと思います。

 万博はクリエイティブなもので、時代や地域によって、内容が異なってくるのが当然です。でなければ、ただの見本市になってしまいます。そういう意味で、上海は新しいチャレンジをしていることに敬意を表します。これが成功できれば、中国人の百年の思いがかなうということだけでなく、世界から尊敬される国になると思います。

■地球問題の解決と触れ合いに意義があり

――万博はかつて、近代文明の普及に大きな役割を果たしましたが、情報化時代の今、万博を開くことの意義についてどうご覧になりますか。

 愛知万博の時も、「いまさら万博?お金ばかりかかって。もう日本では年間1000万人以上の人が海外へ行き、また、1000万人近い人が海外から日本に来るし」という声もありました。しかし、ほとんどの日本人は海外へ行っても、ツアーで観光バスに乗って回るというだけで、現地の人との接触が少ないです。

 確かに、今の時代は、通信やインターネットを通じて情報伝達が非常に速くなっています。バーチャル交流の意義を否めないが、一方では、リアルな感じがないまま、世の中が動いており、それによる弊害も現に出ています。

 万博は触れ合いのきっかけを作り、民族や文化の多様性、他の国の現状に対してリアルに実感する意義があると思います。地球規模の各種問題の解決に役割を果たし、社会的な実験をして、人々に近未来を見せるのが万博です。

――日本は愛知万博の開催から得たものについて、今振り返ってみますと、これをどのように総括しますか。

 一つはテーマがタイムリーだったこと。日本の持つ知恵、とくに技術と新しい社会の仕組みについて、アピールすることができました。「日本人もクリエイティブな民族だぞ」ということを改めて世界に示すことができたと思います。また、環境意識の向上、人々の参加を促すことにも積極的な役割がありました。

日本にとってだけでなく、とりわけ、地元の人たちの誇れる万博でした。名古屋は五輪誘致でソウルに負け、そのトラウマを払拭することができました。日本にとっても地域にとっても良いイベントでした。

――万博の運営経験者として、今、上海に一番伝えたいことは?

 万博というのは、日本も何十年に一度しか開催できないものです。状況は変わっている。経験のない人がやっている。計画に万全はないですね。ですから、柔軟に新しい困難に対応して、それを克服していくマネージメントの智恵が最も試されるのです。

 皆がそれを理解して、新しい困難が日々ある中で、昔の経験にこだわることなく、一丸となってやることが大事です。今、一番かけているのは仕事ですから。

――上海万博、どのような万博になってほしいですか。

 サプライズあり、感動の中に智恵が絞ってある。優しく楽しく、やったら面白い。次を見据えたすごいものがあったなと思わせる工夫がある万博になるよう期待しています。(聞き手:王小燕)

【プロフィール】 

中村利雄さん

1946年名古屋生まれ。1970年、名古屋大学卒業後、通商産業省入省。大臣官房総務審議官、貿易局長、中小企業庁長官を経て、2003年から財団法人2005年日本国際博覧会協会副事務総長、翌年に事務総長を務める。2007年から日本商工会議所東京商工会議所専務理事。

            

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