「放課後、公園に集合!絶対遅れるなよ~」
80年代生まれの私。小学校時代の楽しみといえば、放課後の公園。
サッカー、野球、ドロケー、缶けり、鬼ごっこ、秘密基地づくりに木登り・・・
日本の公園には子供たちの笑い声が響き渡っていました。
あれから10年が経ち、20年が経ち、都内の公園にはたくさんのルールができました。
花火禁止、ボール遊び禁止、ダンスの練習禁止、大声禁止・・・
"してはいけないこと"ばかりが増えました。
幼稚園児は柵に囲まれた公園の一部で"お行儀よく"砂遊び。
小学生たちはベンチに座って、ゲーム機を手にして"沈黙対戦ゲーム"。
日本はよく礼儀正しいと世界各国から称賛されますが、
同時に失っているモノもたくさんあると思います。
中国は、ちょっと違いました。
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私が住んでいる近く
社交ダンスの練習をするグループ。
京劇の練習をするアマチュア劇団。
(2つとも東京の公園では禁止される可能性が高いですね…)
≪書道の練習をする人≫
「これ、"廃品"で作ったお手製の筆なんだよ!ガハハっ」
地面いっぱいに書道の練習をするおじさん。
字を書くことで、心を落ち着かせ、精神を鍛えているのだとか。
(※ 墨汁ではなく水で書いています)
日本でこれをやったら・・・
「許可なく公園の一部を占拠しないでください」
なんて言われるかもしれません・・・。
「これはワニの歩き方。これはライオン。これはゾウの動き!」
別のところでは、動物の動きを真似することで、体を鍛えている"公園一の鍛え名人"に出会いました。
これ、動きはすごくゆったりとして、たいしたことがないように見えるのですが、
実際に真似してみると、本当に難しい!
体の柔軟性も重要だし、体幹バランスも、ポジションによっては腕だけで全体重を支える筋力も必要で、とにかくいろんな要素が詰まった筋トレでした。
≪動物筋トレ~ワニ編~≫
「動きが不審すぎます。やめてください。通報しますよ」
なんて言われるかもしれません(・・・!)
東京のある公園では、噴水近くで遊ぶ子供の声を「騒音」と訴えた人がいるくらいですから。
≪自由参加の"合唱団"≫
北京の公園には、自分のやりたいことを生き生きと楽しんでいる人たちであふれています。
東京の公園には、誰かが決めたルールをしっかりと守る人たちで静まり返っています。
東京の地下鉄では、禅の精神を貫くかのように、皆で"静寂"を作り上げています。
北京の地下鉄には、イヤホンを使わずに携帯のドラマを大音量で見ている人もいます。
ケースバイケースだと思いますが、公共の場でのルールを作りすぎて自らをがんじがらめにするのはいかがなのでしょうか。
他人に迷惑をかけない"思いやり"。他人の自由を尊重する社会の"寛容性"。
公園とはどうあるべきなのでしょうか。
どちらがより人間らしいのでしょうか。人間らしさとはなんでしょうか。
日中首都公園比較文化論。今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
ごきげんよう。再見。(高橋敬)
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