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日本人スタッフのつぶやき308ー海外メディアの見る江西

2014-12-01 13:29:33     cri    

 江西省が昨年10月に打ち出した「観光強省」戦略に伴い開催された、江西省委員会宣伝部、江西省観光発展委員会および人民網が共同で主催する大型取材活動「海外メディアの見る江西」に11月14日から20日の日程で参加してきました。中国の主要メディアである中国中央電視台(CCTV)、人民網やチャイナデイリーに加え、アメリカ、フランス、スペイン、ルワンダ、カメルーン、エジプト等各国メディアの記者約30人からなる取材団と共に、同省の主要な景勝地をめぐりました。

「海外メディアの見る江西」開会式

 「海外メディアの見る江西」は昨年5月に開催された「海外メディアの見る海南」に続くものです。人民網副編集長の単成彪氏は「中国の省の魅力を世界に向け発信することを目的とする本取材活動によって、国際性および地球規模の理念を体現したい」と開会式にて強調しました。

万年、千年、百年で語られる江西省

 「江西省は、地理的重要性と歴史的重要性を兼ね備えた地」と、江西省宣伝部の姚亜平氏は語ります。江西省の北は安徽湖北の両省、西は湖南省に接し南は広東省で東は福建省、東西南北をつなぐ水陸交通の要衝となっています。また、江西省の歴史は万年、千年、百年の三つで語られるといいます。江西省の歴史は一万年前までさかのぼることができ、万年県の遺跡はその歴史の長さを物語っています。陶磁器のふるさとである景徳鎮は千年の歴史を誇り、中国共産党の人民解放軍は省都南昌での約百年前の武装蜂起が始まりです。このような多様な側面を備えた江西省は観光地としての魅力も大きく、2400を超える景勝地があり、そのうち世界遺産が4箇所(廬山国立公園、三清山国立公園など)、国際歴史文化都市が3箇所(南昌市、景徳鎮市など)、そしてユネスコのジオパークが2箇所(廬山世界地質学公園など)あります。

再生された村-婺源の篁嶺

 「中国で最も美しい村」―こう呼ばれるのは、江西省の婺源県。今回は篁嶺という村を訪れました。白壁に瓦屋根、屋根の上に干された黄色い菊の花、真っ赤な唐辛子にオレンジのカボチャ。その鮮やかな色のコントラストは、まるでモノクロの写真の上からカラフルな絵の具で彩りを加えたようです。

 

婺源篁嶺

 約10年前、この村は今と全くその姿を異にしたといいます。それというのも、100年以上の歴史を持つ建築物は当時そのほとんどが倒壊しており半分の村人も交通の不便さなどを理由として村を去り下山していたのです。そこに、民間企業が郷村の文化を保存するプロジェクトを始動し元の建築物を活かしながらリフォームを行い、旅館や商業施設を建設しています。村は、形を変えてよみがえったんですね。

中国伝統文化を見える形に―景徳鎮の真如堂

 入り口を入ると仏像が一列に並んで出迎え、部屋には漢方薬を入れる薬箪笥などのアンティーク家具がちりばめられ、茶室からは白茶の香りがただよう・・・。陶磁器の故郷で知られる景徳鎮、私たちは三宝村にある「真如堂-生活芸術博物館」に訪れました。

 

真如堂の入り口に並ぶ仏像

 陶器の工房である「真如堂」で作られる陶磁器製品は主に三つに大きく分類することができ、宗教芸術品、芸術家の創作作品、そして茶器や香炉などの生活器具に分かれます。設立目的は「景徳鎮の伝統工芸を継承しながら、中国伝統文化の精神を具体的な陶磁器という形をもって目に見えるようにし、人々に向けて紹介することだ」と、文化学者で芸術家でもある設立者の伍一洵氏は語ります。

真如堂にて工房を見学

星降る村で温泉につかる―星子県

 星子という名前は、湖に流れ星が落ちたという伝説に由来し、落星石(湖に浮かぶ孤島)を宋の詩人である蒋之奇は「今日湖中石,当年天上星(今湖に浮かぶ石は、当時夜空に輝いていた星)」と表現しました。

 南昌市から2時間ほど車で北上したところにある星子県には、世界遺産の廬山があります。廬山というと、「白居易や李白が詩を詠んだ、山水詩の生まれた地」「浄土宗発祥の寺である東林寺」などは有名ですね。一方でここは、中国版ロミオとジュリエット「廬山の恋」という1970年代末の映画の舞台であり、廬山の麓はリゾートホテルの並ぶ星子温泉エリアとしても知られています。今回宿泊した廬山東林庄では、木の香りのする和風の温泉旅館とはまた趣が異なり、まるでヨーロッパの別荘に来たかのような洋風建築のホテルの中庭に露天風呂が並び、星空の下で温泉を楽しむことができました。

廬山秀峰にて、スイスの記者とコロンビアの記者とともに記念撮影

十人十色-各国記者の目に映る江西省

 この一週間の江西省の旅には、世界各国からの記者が参加しましたがこの中には、中国に10年以上住む人もいれば一週間前に初めてアジアに降り立った人もいてそれぞれの関心・視点がまったく違いました。

 江西三大名楼として知られる滕王閣を回りながらコロンビアの記者さんは「こういう建築物はコロンビアでは見ないからね、とても面白い」と言いながら、何枚も写真を撮っていました。

滕王閣

 江西省の伝統芸能の一つである鬼払いの仮面劇を見ながらスペインの記者さんは「スペインにも似たような儀式はあるけど、まったく様子が違う」と不思議そうな顔をしながらじっと見入っていました。

篁嶺にて村人が披露する鬼払いの仮面劇を見る観光客および記者

 外から見た江西省、中国がどのように見えるかは人それぞれ、十人十色ですね。古き村々、陶磁器に温泉など、多様な魅力を味わうことのできる江西省。皆さんも、是非訪れてみてはいかがでしょうか。(林)

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