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日本人スタッフのつぶやき142-聊斎志異との出会い

2012-04-16 15:57:45     cri    

 今回の1枚です。

 北京の春。朝晩の冷え込みもなく、すっかりポカポカ陽気の毎日です。気温も20度を超える日も珍しくありません。我が家の周りも花が一斉に咲き誇り、子どもたちがマンション内の公園を走り回ったり、花の香りを嗅いだり、ゆったりとした時間が流れています。時折、春の雪、柳綿(柳絮)が空を舞い、1年が過ぎ去ったことを改めて感じさせます。

〜☆〜

 「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」。この映画の名を聞いて「あの人間と幽霊との悲恋だな」とピンと来る方もいると思います。ちょうど、80年代から90年代を跨ぐ頃、日本人の心を捉えた中国映画。私もその一人で、DVDを探しては、繰り返し観て、切ない気分に浸ったものです。しかし、今思えば、これはプロローグにしか過ぎませんでした。今回は、その後日談を紹介します。

 北京に来るまでの10数年、テレビ局と新聞社を言ったり来たり。六本木なのか築地なのか、自分の本拠地もあやふやな生活でした。そんな時、出会ったのが顔が小さく、手足の長い女性。これまでと違ったのは中国人だったこと。別に映画を意識していたわけではないのですが、ゴールイン。

 日本を離れ、北京で生活を始めた1年前のこと。「うん?これは何?」。ポスターには「倩女幽魂」という文字。この名は「チャイニーズ〜」の原題です。リメイクされた最新作が公開されていました。早速、夫婦で映画館へ行くと、もう一つの「チャイニーズ〜」。そうです、私が何度も観た最初の作品も同時に公開されていました。「ここで出会うとは…」と不思議がっていると、「最初じゃないよ、昔から(作品)はいっぱいあるよ」と物知り顔の妻。「そうなの」と気にも留めず、その時はスクリーンに夢中の私。


【つぶやき110〜新沂市を訪ねて②より】

 半年後、CRIの地方取材で新沂市という街へ。「伝説も多い地域だから、おもしろいかも」と勉強不足ながらも回ってみると…。馬陵山という小高い山。「三仙洞」と説明された洞窟を見つけました。

 "科挙の受験生が試験に向かう途中、3人の見知らぬ人と意気投合。楽しく一晩を過ごす中、夜がもったいないからと問題を出し合う。夜が明けると誰もいない山の中で、そばに水が流れ出る洞窟が…。試験に挑むと、問題が同じでトップの成績"という物語の舞台。3人は洞窟に住むカニ、ヘビ、ガマの優秀な仙物だったいうオチ。17世紀(清代)に書かれた中国古典文学の一つ、神仙や狐鬼、幽霊、妖怪などが多く登場する怪異小説「聊斎志異」にある物語で、作者の蒲松齢も訪れたという洞窟です。北京に戻り、妻に話すと「知らなかったの?あなたの好きな『チャイニーズ〜』もあるでしょ」。「どこに?」、「その本によ!」。

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