北京市内でパソコンや周辺機器を入手できる場所は、「中国のシリコンバレー」と呼ばれ、多数のパソコンショップの入った巨大な電脳ビルが林立する中関村があまりにも有名です。しかし、市中心部から遠い中関村まで行かなくても、もっと中心部に近い北京市内には小規模なパソコン街が結構あります。その内、朝陽区の「百脳匯」は北京のパソコンユーザーにはかなり有名な場所で、私のお気に入りスポットです。

　ビルの中に入ってまず驚くことは、店員さん達の「何が欲しいの？」「何を買いたいの？」という声が店を通過するたびにかけられることです。初めて行った時はびっくりして、「ほっといてくれ！」と心の中で叫んでいましたが、何回か行くうちに煩わしさを通り越して不思議な感覚となりました。お店の品揃えはどの店も結構充実していますが、日本と違うところは、パソコンの周辺機器やパーツを扱っているほとんどの店では値札が付いていないのです。でも沢山ある品物の中で、欲しいものの値段を聞くと即座にその値段が出てくるから大したものです。勿論中国では必須の（？）値切り交渉をして、結構安くしてもらっています。

　ある時、「これいくら？」と聞いたところ、いきなり「いくらなら買う？」と返され、あっけにとられたことがありました。その時は相場の値段が分からなかったため、結局商談は成立しませんでしたが、こういうこともあるのかと、新たな発見の一日でした。

　家から比較的近くて便利な私のお気に入りスポット「百脳匯」。これからもどのような発見をさせてくれるのか楽しみです。　　　（小野博民）