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日本人スタッフのつぶやき46ー漢字の国の人だから

2011-05-24 09:53:51     cri    

 この写真をご覧ください。

 看板に「中国人寿」と書いてあります。

 2005年に北京に来た当初、私にはこれがどうしても「中田英寿」に見えて仕方がありませんでした。

 しかし、不思議なことに今は、全くそのようには見えなくなりました。

 中国も漢字を使っているから、「多少、中国語ができなくても理解できるんじゃないだろうか」と思うのはまちがいです。

 街を歩けば、お店の看板やら広告やら、確かに漢字はあちこちにあります。

 しかし漢字ということはわかるものの、さてその意味は?となるとさっぱりわからん、ということもしばしば。

 言葉というのは意味がわからなければ、深く心には入ってきません。

 そうして異国の街というのは、こちら側には決して近づいてはくれず、他人行儀な顔をしたままなのです。

 北京生活にまだ慣れなかった頃は、ちょっとした疎外感を感じながら、体を硬くして街を歩き、看板やら広告だの、目に飛び込んでくる漢字をなんとか自分なりに理解しようと必死になっていました。

 そんな時に「中国人寿」という大きな看板を発見したのです。

 「中田英寿みたい」と思うと、全く違う言葉なのに、理解できたような気がしました。

 全く人間というものは、自分勝手な認識をするものですね。

 それだけで街が親しみを持って近づいてくれたような気になるのです。

 しかし生活に慣れた今は、看板を見て感ずることも特になく、新しい発見も少なくなり、それどころか考え事をしながら歩き、周りを見ていないなんてことも。

 ちょっとした疎外感というのは、発見の原動力かもしれません。(吉野綾子)

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