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 これからの中日交流を支える若者たち 第四弾(4)

2011-03-02 11:51:43     cri    

 そして21世紀も11年が過ぎた今日、膨大な数にまで成長した日本人留学生は、新たな手段でその留学生活を切り開いています。留学生の人数が増えることで交流の規模も範囲も広がるものですが、その一方でグループ化が進み、それらのグループ間における交流が希薄になりがちであることも否めない環境の中設立された、北京日本人留学生社団(BJSA)。その第一歩が「中日合同成人式」との名を冠した活動であることに、私は大きな意義を感じます。

 中国における成人年齢は18歳と日本の成人年齢とは異なること、そして中国では特に「成人式」のような行事が存在しないことについては第一回のリポートで李陽記者がお伝えしましたが、それを踏まえた上で、敢えて中日の若者を分け隔てなく招聘したこと。また、その挙行に当たっても両国の様々な立場の人々が手を取り合ったこと。

 そう、「無ければ創ればいい」のです。

 彼らが抱く方向性に賛同した誰もが、ただ只管に「創り上げること」を想って今回の合同成人式が開催されたのでしょう。


 1990年代当時の北京大学東門

 こうして見ると、十数年前の留学生も現在の留学生もまた、非常に前向きに、ボーダレスな心持ちをベースとして、「交流」という奥深い意味を持つ社会活動を行っているのだと感じます。しかしながら、やはり時代の変遷と共にその形は形態を変えるものであり、政治、経済、国際社会…と、めまぐるしく移ろう諸要素の中で時に翻弄されながら、自らの想いを具現化し、創り上げようとする力が、いつの時代も途切れることなく繋がれてきた「交流」の歴史を今後末永く支えて行くのだろうと思うと、現代においては北京日本人留学生社団(BJSA)のようなプラットホームが重要な基盤となり、そして現会長である村松文也さんのようにそれを牽引し、周りを巻き込んでいくカリスマ性を備えた熱き想いがその原動力となるのでしょう。

 そしてそんな彼らを取り巻く私たち年輩者が、如何なる心根を持って見守り、導き、そして共に歩んでいくのか。それが未来の「交流」を支えるという意味の一部であるとするならば、若者であっても私たち年輩者であっても、国境を越え、世代を超えて、常に誠実かつ純粋な目で「皆がより良い方向に」と手を取り合って歩んで行くことが必要なのだと思います。

より良い世界、より平和な世界の鍵が、こうした「交流」であること。どんなに小さな交流でも、規模の大きな交流活動でも、いつもそのことを心に握り締めて、その絆を育てて欲しい。頑張れるときは精一杯頑張って、頑張れないときは踏ん張れば良い。「幸せ」とプラスマイナスゼロになるのは「不幸せ」ではなく、「幸せ」とプラスマイナスになるのはいつでも、「努力」なのだと思います。私は元留学生として、北京日本人留学生社団(BJSA)が常にそういう方向を見据えて発展して欲しいと心より願っています。(文、写真:中原美鈴)

 「これからの中日交流を支える若者たち」、第四弾は未来の交流を創造する北京日本人留学生社団(BJSA)についてお届けしました。今回クローズアップした同社団の会長、村松文也さんをお招きしてのラジオ放送は、3月15日放送の「中日交流カフェ」でオンエアです。

 そして3月の「これからの中日交流を支える若者たち」は、これまでお届けした全4弾の総集編です。以前の記事やラジオ放送を振り返るのみでなく、皆さんの現在の状況なども交えてお届けいたしますので、どうぞお楽しみに!


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