「農村部で技術者や管理職などを担当する大学生」のことです。2006年、中央政府は大学の新卒者を村の管理職などに任命する事業をスタートさせました。農村部の末端組織である「村」の管理職のことを、中国では「村官」と言います。しかし、地位が低く、苦労するイメージが強いです。
中国人の伝統的な出世観では、若者は大学を卒業すると公務員になるか、大企業に入るものという傾向があります。安定した暮らしができ、昇進する機会があるとみているからです。
特に農村部では、大学に受かることは、田畑を耕す肉体労働や、貧しい暮らしから逃れる唯一のルートだとされています。
それにもかかわらず「村官」になることは、少々常識はずれな印象があります。
中国ではここ数年、大学生の就職難が続いていて、今年も厳しいようです。北京の現時点での内定率はわずか40%程度です。国からは、農村部でその能力を発揮し、発展のために貢献するよう呼びかけており、それに対し、各省も積極的に応じています。
2006年から始まった「大学生村官」で、その人数は年々増えています。今は、様々な知識を持った若い村官たちは技術者、経営管理者、医師、村の党支部書記の助手、村委員会会長の助手を担当するなど、幅広く活躍しています。
就職活動が大詰めを迎えた現在、北京では、新卒者を対象にした村官のインターネットによる募集が始まりました。1600人の定員に対し、初日だけで4000人が応募しました。
専門的な知識で、農村部の建設で大きく羽ばたいている村官の姿を思うと、なんだかほほえましく感じられませんか。 (朱丹陽)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |