中国の国営放送局（CCTV）は、3月15日、消費者権益の日特別番組で、中国の大手通信企業、チャイナモバイル・山東省支社が大量の広告をユーザーに送信すると共に、個人情報を販売し、意図的にユーザーの個人情報を漏えいしたと報道しました。国営の通信企業が個人情報を漏えいしただけに、大きな波紋が広がりました。

　特にこの2、3年、中国の携帯電話のユーザーの多くは、よくわからないショートメールを受けた経験があります。小中学校の保護者なら塾から、出産したばかりの産婦なら粉ミルクやオムツのメーカーから、サラリーマンなら住宅、化粧品、ヨガ教室などから、広告のメールが送られます。

　これはメールだけでなく、携帯電話にも直接かかってきます。覚えのない番号のため、大変なことが起きたのではないかと思って、受けてみると、見ず知らずの人からのつまらない話でした。通話料金がかかるかどうかはともかくとして、日常生活や仕事の上で問題になっています。これはつまり、いつの間にか個人情報が漏えいしていたということです。

　現在、個人情報を登録する機会は、非常に多くなっています。銀行でカードを作るとき、携帯電話や住宅を購入するとき、保険に加入するときなど、会社の名前、年齢、携帯電話番号、身分証名書の番号などを記入しなければなりません。

　中国では今まで個人情報を守る政策が打ち出されませんでした。しかし、今回の全国人民代表大会では、「刑事法」の修正案に、個人情報を販売したり、他人へ不正に提供したりすることを犯罪とする内容が盛り込まれました。

　この法案が何時実施されるのか、個人情報がどこまで徹底的に守られるのか、推移を見守っていきたいと思います。（朱丹陽）