6日に国務院が公表した医療および公衆衛生制度の改革に関する最終版のことで、全国で基本医療衛生制度の整備を目指しています。これによりますと、現行の医療システムで生じている「お医者さんに診てもらうことが難しい」「医療費が高すぎる」といった問題が、2011年までの3年間で緩和されます。この改革案は一人ひとりの身近な利益に関わることでもあるため、大きな反響を呼んでいます。
今まで、医療面で病院が圧倒的に少ないことを含め深刻な問題が生じていました。都市部では、病院の数自体が少なく、設備が整い、医師も揃ったいい病院の数も限られています。そのため、医師の診察を受けるためには、病院まで何時間もかけて来ることだけでなく、病院の窓口でも長時間並ばなければなりませんでした。重い病気にかかっても、窓口、診断室、治療室、病院内の薬局などで、それぞれ並ばなくてはならず、家族総出で協力することが必要でした。また、病院は独自で経営しているため、薬も高いものばかりで、ちょっとした風邪でも病院に行けば数百元もかかることになります。低所得者ならとても負担できない金額です。
さらに農村部では、このような都市部の問題のほか、所得に応じた医療施設が不足していることも大きな課題です。
2011年までの3年間で、政府は国家の基本的な医薬品制度や末端における医療体制の整備、基本的な公衆衛生の均質化などに力を入れていきます。そして、中国でも都市部と農村部、定職の有無、社会人と学生などを問わず、住民すべてが、日本の国民健康保険のような医療サービスを受けることができるようになります。このために政府は8500億元を投入します。
中国は医薬衛生システムの改革は、1980年代から始めたもので、およそ20年が経った今日、やっと形ができました。国力の上昇と深く関わるものと思いますが、都市部も農村部も老若男女を問わず誰もが平等に、国の医療衛生サービスを受けられるようになる日が、今から待ち遠しいです。(朱丹陽)
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