中国最大手のポータルサイト「百度」の検索アクセス数で集計したランキングは、中国芸能界の全体の動きが分かる結果を示しています。

　この1週間の中国で注目度の高いTV番組・トップ３は以下のとおり：

　3位、湖南衛星テレビが制作するバラエティー番組『天天向上（Day Day Up）』。この番組は日本の『しゃべくり007』を思わせる湖南テレビのトークバラエティです。2008年8月、毎週月曜日から木曜日までの60分番組として放送を開始しましたが、その後、毎週金曜日のゴールデンタイムの2時間枠に引越しし、現在は2時間30分枠になっています。以前、大阪出身の日本人俳優・矢野浩二もレギュラーメンバーとして出演していました。番組の内容は幅広く、ショートコントやゲームを通して、ゲストや観客と一緒に楽しい時間が過ごせるバラエティー番組として、ますます注目されるようになりました。最新のオンエアでは、台湾の美人女優・林志玲（リン・チーリン）が登場し、視聴率が再び急上昇しています。

　2位、湖南衛星テレビの看板バラエティ番組『快楽大本営（ハッピー・キャンプ）』。中国版『いいとも』とも言えるこの番組は、若者の間で大人気！パーソナリティの何炅（ハー・ジョン）や謝娜（シェ・ナー）は人気スターになりました。1997年7月から毎週土曜日の放送がスタートして以来、昨年で記念すべき15周年を迎え、レギュラー陣、通称「快楽家族（ハッピー・ファミリー）」がそろって出演するアニバーサリー映画も先月から上映されています。映画との相乗効果で、「ハッピー・フィーバー」がどこまで広がっていくのか、注目したいところです。

　1位、プロが参加するリアリティ番組『我是歌手（I Am A Singer）』。湖南衛星テレビで今年1月から毎週金曜夜10時にスタートした新番組です。プロの歌手がオーディション形式で審査を受け、歌唱力を競い合うという斬新な形が早くも全国で話題を呼んでいます。中国のクイズ番組やオーディション番組は近年、素人参加型番組が溢れていましたが、そんな中国TV界に新風を吹き込む番組としても大きく期待されています。この番組はもともと韓国のTV・MBCが元祖で、7人のプロのパフォーマンスを500人の観客が投票で順位を付け、最下位になった歌手が失格となり番組を降りるという勝ち抜き形式を採用しています。プロですから、最下位になると「メンツが丸つぶれ」になるため、出場者にとってはプレッシャーが相当大きいですが、そうした"厳しい"雰囲気をどきどき・ハラハラ楽しんでいる視聴者も多くいます。プレッシャーがかかるからこそ、歌唱力を120%発揮した驚異のパフォーマンスも多く、ハイクオリティの生歌が聴けるというところも人気を集めている理由かもしれませんね。

　トップ3はいずれも湖南衛星テレビの番組です。中国のTV界ではバラエティの王者と言える存在です。バラエティ番組を多く制作している日本のTV界から学ぶところはまだ多いと思いますが、湖南衛星テレビは、お茶の間に笑顔と充実感を与える立役者として、中国のTV界の最先端を走っています。この『我是歌手（I Am A Singer）』をはじめ、今後もさまざまなバラエティ番組を作っていく予定です。（ミン・イヒョウ）