日本政府が1日に集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を閣議決定したことについて、中国の学者らは「これは、『専守防衛』の基本理念を主としてきた日本の戦後の安全保障政策が大きく変化することを意味する」とみています。
中国の元外務次官である徐敦信元駐日中国大使は「集団的自衛権の行使容認は、日本が海外へ派兵できることを意味し、事実上日本の平和憲法を空文にしたことを宣言した。これは戦争につながるものだと思う。国内外の反対を無視し、日本の独断専行の行為は危険極まるシグナルであり、日本国内外で多くの人々の憂慮と反対を招いている」と話しました。
中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東主任は「近年、日本政府の一連の動きは日本憲法の平和主義を蚕食した。安倍政権が憲法解釈を変更することは立憲主義に背いている」と述べました。
呂耀東主任はまた「現在、アジア太平洋地域は相対的に平和で安定している。だが、近年日本が中国の領土である釣魚島を国有化しようとしたり、南海問題に介入していわゆる価値外交を実行したり、海洋安全問題でベトナムとフィリピンを支援するなどといった一連の行動はアジア太平洋地域にに不安定要素をもたらしている」と述べました。
日本の閣議決定をした武力行使の新3要件について、呂主任は「これは、アジア地域や周辺諸国の平和と安定にマイナスの影響をもたらすにちがいない。しかも、その触角を世界のいたるところに伸ばすことができる。安倍氏はどの国が日本の安全を脅かすかをほしいままに判断することができるからだ」とし、「安倍氏が積極的平和主義の看板を掲げて、集団的自衛権を推し進めることは、どんな形を取ろうとしても、武力行使をしたがるその目的を覆い隠すことはできない」と指摘しました。
中国軍事科学院外国軍事部の袁楊研究員は「日本が集団的自衛権の行使を容認した背景の一つは中日間の矛盾だ。中国経済の急速な発展と軍事力の増強は客観的に言ってある程度日本を刺激した。そのため、中国を極力抑制する必要があると考えている。集団的自衛権の行使容認はこのためでもある」との見解を示しました。
袁楊氏はまた「日本が同盟国ではなく、『密接な関係にある他国』という言葉を使うのは一つの伏線を撒いた。言い換えれば、今後第3者の原因で中日間の衝突をもたらす可能性は大きくなってきている。中国と日本の間に、釣魚島や東海などの現実的な紛争があるほか、第3者のことで中日間の衝突を引き起こす潜在的な危険が大きくなるだろう」と指摘しました。(玉華、kokusei)暮らし・経済へ
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