中国の中央銀行である中国人民銀行はこのほど、市場により貸出金利が決まる金融システムへの移行に向け、金融機構の貸出金利下限規制を撤廃すると発表しました。専門家はこれを中国の金利自由化に向けた重要なステップだと見ていますが、人々の関心を集める預金金利の自由化については時期尚早だと判断しています。
金利市場化は中国金融体制改革に早くから盛り込まれた議題の一つで、去年6月には基準金利を30%下回る水準まで認めるという実質的な第一歩を踏み出しました。中国人民大学財政金融学部の趙錫軍副学部長は、
「1年余りの運用を通して銀行も企業も多くの経験を積み重ねてきており、しっかりとした基礎もあるので、さらに進めていく条件が整った」と話しています。
中央銀行のこうした施策の影響について、中国国際経済交流センター情報部の徐洪才副部長は、
「まず、資金の流れを合理的に導き、供給と需要双方によって資金の価格(金利)が決まるようにする。これは価格の形成メカニズムの重大な改革措置であり、資金価格システムの合理化にプラスとなる。正規の金融体系の資金が小零細企業や民間企業へ導かれることにより、資源の効率的な配置が促進され、経済構造の調整や中国の総体的な経済力の向上にも一役買うことになる」と語りました。
現在、国内のどの銀行に預けても金利はみな同じです。国際的に見れば、金利市場化に切り替えられた後は預金金利が上がり、貸出金利が下がる傾向にあり、国民により多くの恩恵がもたらされることになります。しかし、預金金利の自由化について趙錫軍副学部長は、「時期尚早だ」として、預金保険制度など金融機関の破綻管理制度の整備を呼びかけました。
趙副院長は、「預金金利と貸出金利がすべて市場化すると、商業銀行の間ではますます激しい競争が展開される。そのとき経営に失敗して市場を退く銀行もあるだろう。市民の預金を集めた銀行の破綻は市民に大きな影響を与える。そのため、前もって破綻制度を確立する必要がある」と強調しました。(ミン・イヒョウ、大野)
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