中国の習近平国家主席は現地時間の7日、米国カリフォルニア州パームスプリングス郊外にある保養施設「サニーランズ」でオバマ大統領と会談しました。両国首脳は非公式でリラックスした形で「太平洋を越えた握手」を交わしましたが、今後更に多くの協力と利益を得られるか注目を集めています。
会談が始まると、双方ははからずも同じ「新しい」という言葉で中米関係を語りました。習主席が「両国民の根本的な利益から出発し、人類の発展に目を向け、革新的な思考法で積極的に行動し、共に新しい大国関係の構築を推進すべきだ」と述べたのに対し、オバマ大統領は、「今回の訪問を通して、今後の両国発展の新たな協力モデル構築の堅固な基礎を築くよう期待している」と話しました。
中国国際問題研究所の郭憲網副所長は、「双方のこうした意思表明は、政治に対し中米両国が同じ願いを持っていることを表しており、新興大国と既成大国は衝突するという古い歴史の法則を打破し、新たな共存の道を探っていることを示している」と指摘しました。
中国社会科学院米国研究所の陶文釗研究員は、「中米関係を発展させるためには、両国指導者間の相互信頼がとても重要だ。郊外の施設でリラックスした場を設けたことで、両国指導者が互いの気持ちや考え方を充分理解することができた。更に良い協力関係を築き、中米の戦略的相互信頼にも役立つだろう」と話しています。
首脳会談が相互信頼を増進させたことについて郭副所長は、「今回の会談は、サイバーセキュリティ、知的財産権などの問題において、お互いの不信感を減らすことに有益であり、一部の具体的な問題における相手の関心事への双方の理解を推し進めることができた」としています。
そして郭副所長は、「中国に対するハイテク製品の輸出禁止令について米国が何らかの措置を取ることを中国側は期待している。米国は過去にそれを約束したが、何の動きもなかった。それは対中国貿易赤字の解消にも良くない。米国側が関心を寄せている問題について中国も更に協力していく。例えば知的財産権の保護の問題で更に一歩対策を進め、ハイテク製品の知的財産権保護に力を入れる必要がある」と述べました。
中米首脳会談では、地球規模の難題についても協力強化が話し合われました。これについて取材に応じた多くの専門家は、米国の景気回復が鈍化する一方、中国の経済成長は比較的早く、協力強化は中米両国だけではなく、世界経済の回復にも有益だとしています。また、気候変動、新エネルギー、反テロなどの問題について、世界最大の2つの経済体である中米両国には大きな協力空間があるとされています。今回の会談は、中米関係史においても重要な意義がある会談の1つであり、相互尊重、互利共栄の協力パートナーシップを構築するという共通認識に基づき、新たな大国関係を築いたとされています。
サニーランズでの滞在期間中、習主席とオバマ大統領は現地時間の7日の他、8日にも会談を行う予定です。また、両国首脳は夕食会、散歩、茶会などの形でも交流するとされています。(劉叡、大野)
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